日経平均株価が歴史的な高値を更新して株高に沸いている日本。
そんな浮かれた気持ちに喝!を入れるべく3人の専門家が登場しました。
新NISAなんて絶対に手を出してはいけない。
専門家たちはなぜ新NISAに手を出さないのでしょうか?
荻原博子氏のご意見
経済評論家でジャーナリストの荻原博子氏。
萩原さんと言えば現金に徹した資産防衛、家計運営を提唱し続けている方。
新聞、雑誌等の連載やテレビのコメンテーターとしても活躍中です。
そんな萩原さんによると新NISAに手を出さない理由は、
- 株価が下がった時の手当て(損益通算や繰越控除)が一切ない。
- 金融庁のシミュレーションを見ると「必ず儲かる」と錯覚する。
- 「ノムラ日本株戦略ファンド」を退職金で買った人が多数いた。その後6割以上も暴落した。
- 投資信託は値上がりも値下がりもするということを理解しておくべき。
とのことです。
ご指摘ごもっとも!
新NISAは株取引等で利益が出た際に「非課税」となる制度です。
ですのでそもそも利益が出ない場合には何も恩恵を受けられません。
ご指摘のとおり、課税口座(特定口座や一般口座)で取引をすると「損益通算」や3年間の「繰越控除」といった損失に対する制度が備わっています。
対してNISAではそのような損が出た際の制度はありません。
この点はしっかり把握しておく必要があります。
また、金融庁のシミュレーションについても、なんの勉強もせずにそれだけを見てしまったら誤解をする人もいるかもしれません。
想定利回り3%というかなり控え目な数値にしていることを差し引いてもです。
ちなみにこの記事を読んでから金融庁のホームページにいってみましたが、シミュレーターのページが「近日公開予定」となっています。
金融庁さん!まさかページを削除したわけではないですよね?
先日まではシミュレーターが使えたと記憶しているんですが、、、
ノムラ日本株戦略ファンドってなに?
「ノムラ日本株戦略ファンド」について知らなかったので調べてみました。

いわゆるバリバリの「アクティブ・ファンド」ですね。
中長期的にわが国株式市場全体のパフォーマンスを上回る投資成果を目指して、積極的な運用を行なうことを基本とします。
ノムラ日本株戦略ファンド 最新月次レポート
ベンチマークをTOPIX(配当込み)とし、それを上回る投資成果を目指すとされています。
なお、設定来の騰落率を確認すると、
- ベンチマーク(TOPIX):131.8%
- 本ファンド:57.3%
となっており、目標の半分も達成できていませんw
買付手数料:3.3%(ネットなら無料!)
信託報酬:2.09%
信託財産留保額:0.3%
今なら典型的な「買ってはいけない投資信託」に分類されます。
ただし設定が2000年ですので、当時としてはこんな(クソ)ファンドが一般的だったのかもしれません。
退職金を注ぎ込む愚策
萩原さんとしては、このノムラの例のように投資信託といえども価格変動があって損をする可能性があるんだ、ということを主張されたいのかもしれません。
しかし、重要な点はそこではなくて、この(クソ)ファンドに退職金を注ぎ込んだ人がたくさんいたという事実。
おそらく注ぎ込んだ人達は、それまで投資の経験なんかまったくなかったのでしょう。
それで退職金として(初めて)まとまった大金を手にして、どうしたらよいのか分からなかった。
そこに付け込んだのが野村証券の営業マン。
上手く儲けたのは「このファンドを買えば儲かりますよ!」と営業した営業マンだけだったということです。
なんの勉強もせず、欲の皮だけ突っ張っているからそんなことになるんです。
案外間違った指摘ではない?!
私は萩原さんが言っていることは(見方によっては)間違っているとは思いません。
日本人の多くは金融に関する知識がありませんし、お金の運用についても正しい知識を持っていません。
本来はちゃんと金融や運用について勉強すればいいのですが、しない人が大半でしょう。
そんな人達が「やれ新NISAだ!」「日経平均株価が史上最高値だ!」と言って、何も考えずになけなしのお金を株に突っ込んで損をして退場してしまいます。
そんなことになるくらいなら「株なんてギャンブルなんだから手を出すな!」という指摘はごもっともです。
自分の老後は自分でやって!
1点だけ気になるのが年金について指摘している部分。
国と金融機関が投資の “博打感” を覆い隠し、国民を駆り立てているようにしか見えません。国民に払う年金を抑えたい国が、『自分の老後は自分でやって』と、切り捨てようとしているのでしょう。
新NISA「めんどくさい」は正解! 荻原博子氏、森永卓郎氏、楠木建氏ら経済専門家が手を出さない理由
国が国民を切り捨てようとしているかどうかは不明ですが、自分の老後のために自分で備えるのは当たり前だと思うのですが。
萩原さんは、老後は何から何まで全部国が面倒を見なければならないと考えているんですかね?
もちろん年金も老後資金として重要です。
「年金なんて貰えるか分からない!」って人がたまにいますが、多少の減額等はあるかもしれませんが貰えなくなることはないでしょう。
だからと言って豊かな生活が送れる訳ではありません。
どんな生活を送りたいかを想像し、そのために事前準備をするのは当然だと思います。
森永卓郎さんは相変わらず
経済アナリストの森永卓郎さんの話した内容は以前こちらで記事にしました。
基本的に投資はギャンブルなんで、高値圏にいる今は新NISAを始める時期ではない。
暴落したタイミングで投資すべきというのが森永さんのご意見。
また米国債をすすめているのもブレがありません。
新NISAでは「生の債券」は購入できませんので、特定口座等で買うことになります。
この点は実は私としても改善して欲しいところ。
債券ETFや債券を組み込んだ投資信託は新NISAの対象ですが、生の債券は対象ではありません。
個人の資産形成には債券だって重要だと思うのですが、今後改善されませんかね?
そしたら新NISAで「個人向け国債変動10」を買うなんてことも可能になるのに、、
楠木建氏ってだれ?
最後に登場したのは一橋大学特任教授であり経営学者である楠木建氏。
残念ながら私は知りませんでしたw
で、この人が言うには「お金のことについて考えるのがとにかく面倒なんです。」と。
運用は信託会社の担当者に全て任せているんだとか。
「面倒なので僕はやりませんけど(笑)」って、なんで登場したんでしょう?
まあ、ネタ枠ってことなんでしょうねw
最後に
荻原博子氏、森永卓郎氏、(楠木建氏も?)といったNISAのみならず、株式投資や資産運用自体に否定的な3人の専門家の意見が読める今回の記事。
いつも思うのは、
- しっかり勉強して資産運用で成功する人
- 知識がないからそもそも近づかない人
この2極化をどうにかしないのか?ってことです。
今回の3名(?)は明らかに「投資はギャンブル、素人は近づくな!」って考えです。
私は、両極にいない中庸の人達をどちらに誘導すべきなのか?が重要なんではないかと思います。
国や金融庁は新NISAやiDeCoのような制度を整備して、少しでも多くの人に使ってもらいたいと考えています。
それを知識のない素人に易しく丁寧に伝え導く専門家こそ必要だと思うのですがいかがでしょう?
そもそも大半の日本人は、金融や資産運用の勉強なんて「難しい!無理!!」って言ってやらないんですから。

新NISAの設定って面倒くさいのか?ものの5分で終わると思うのですが、、、
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