MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)をベンチマークとする2つの投資信託。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):通称「オルカン」
- 楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド:通称「楽天・オールカントリー」
これら2つの投資信託は、どちらが新NISAで購入するのに相応しいのか?
最新の2024年5月の月報の内容を確認してみました。
騰落率と純資産総額
騰落率と純資産総額の変化を確認します。
騰落率を確認
どちらのファンドもベンチマークとの乖離(ベンチマークとの差異)がありますが、大きな問題ではありません。
インデックスファンドはベンチマークと連動して動くのが理想です。
その意味ではどちらのインデックスファンドも、運用がとても素晴らしいことがわかります。
しかし、直近半年で20%以上も値上がりしています。
絶好調ですね。
成長投資枠で年初一括購入したオルカンは、現在約25%の値上がりです。
240万円分のオルカンを買って、間もなく300万円になります。
ただし、過去30年間のACWIの年間平均リターンはドル建てで約8%、円建てで約10%です。
今年の上昇が急なことは常に頭に入れておきたいです。
株価の調整がいつ来てもおかしくないと、再度気を引き締めたいですね。
純資産総額の状況
純資産総額の増加(売れているか?)はオルカンが圧倒的です。
オルカンは楽天の10倍以上も売れています。
オルカンが2700億円、楽天が227億円の増加。
国内投資信託売れ筋ランキングでは、この半年間ではオルカンが堂々の1位!!
楽天オールカントリーは11位となっています。
オルカン人気に衰えはありませんね。
中身の確認
それぞれの投資信託の中身を確認してみます。
国別比率の比較
楽天オールカントリーは前回の比率も載せています。
ちょっと気になるのは、どちらも米国株の比率が指数であるACWIと乖離していること。
楽天オールカントリーはもともと比率が少なく、徐々に指数との乖離を小さくする方向になっているので、問題はありません。
しかし、オルカンはもともと乖離が小さかったのに、最近大きくなっている印象です。
これは良くない傾向です。
徹底比較を始めた2023年12月末からの、オルカンの米国株比率の乖離率をまとめました。
乖離率ですから「0(ゼロ)」になるのが理想です。
2月までは乖離率が縮小される傾向でしたが、その後は徐々に大きくなってきています。
指数とまったく「ピッタリ」とはいきませんから、これぐらいの振れ幅は許容なのかもしれませんが、ちょっと注意して確認していきたいと思います。
採用銘柄の比率
相変わらず楽天オールカントリーの1位には、新興国株のETFである「IEMG」が居座っています。
前回からは減っているので良い傾向です。
しかし、確実に(←ここ重要)このETF分のコストが、楽天オールカントリーのコストに上乗せされてしまいます。
(まあ、IEMGの経費率は0.09%ですから、そんなに大きくないですが。)
投資信託の中にETFがあると、そのETF分の信託報酬も必要になるので、一般的に全体のコストは高くなりがちです。
楽天オールカントリーは今後の方針として、このまま新興国株の大半をETFで運用するのか?
それともどこかで現物株運用に完全に切り替えるのか?
ちなみに「楽天・プラス」シリーズの楽天・S&P500を確認してみると、「iShares Core S&P 500 ETF」が組入れ銘柄5位に入っています。
ただし直近3カ月で比率は3.6 ➡ 2.6へと1ポイント減少しています。
これをみてみると、楽天オールカントリーでもETFは徐々に減らして、現物株運用を目指しているようですね。
とにかく継続して注目してみます。
オルカンがオワコン?
ダイアモンドオンラインに「オルカンがすでにオワコンか?」という記事がありました。
👇こちらで取り上げています。
ちょっとひどい内容でしたのでブログで取り上げてみたんですが、最近こんな記事が多い気がします。
オルカンは極めてコストの低い優良ファンドです。
しかし、そのコストの低さゆえに売り手である金融業界では、あまり人気が出てもらっては困るようです。
なので、なるべくオルカンを貶めるような記事を粗製濫造しているのでしょうね。
低コストで全世界の株に分散投資できる=投資家にメリット大
投資家にメリット大=売り手である金融機関は儲からない
金融機関は儲けの大きい高コストファンドを売りたい=オルカンが邪魔!!
オルカンはオワコンだ!!って記事になるw
こんなしょうもない内容の記事は無視するのが一番です。
私たちインデックス投資家は、オルカンをコツコツ積み上げることだけに集中しましょう!
2つのファンドの評価は?
さて、2024年5月の月報の内容から2つの投資信託(ファンド)を比較してみました。
オルカンについて若干の確認をしてみましたが、心配するほどのことではありません。
毎月の月報をチェックしているので、小さな振れ幅も気になってしまうんでしょうね。
しかし、重要なのは数年から10数年に渡って理想的な運用が出来るのかどうか?
ちょっとした運用のブレが10数年後には大きなリターン差になってしまいます。
今回チェックした内容が杞憂に終わってくれることを願うばかりです。
楽天オールカントリーは、理想的な運用を目指して徐々に良くなっているように見えます。
まだまだオルカンとの差は大きいですが、このままオルカンに追いつけ追い越せの精神で頑張ってもらいたいです。
最後に
まったく同じベンチマークへの連動を目指している2つの投資信託を比較することで、それぞれの特徴や優劣が良く理解できます。
また、毎月の月報の中身をちゃんと確認することで、ちょっとした変化や運用のブレを見つけることができます。
今回の小さなブレを次回の月報までに修正するのか?
それとももう少し長いスパンで調整していくのか?
次回の月報も楽しみにしています^^
オルカンに関する記事っていっぱいありますが、アンチが多いのは人気の裏返しということでプラスに考えましょう!
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