ごましお(@okowa1215)です。
投資の世界にはさまざまな格言があります。
卵は1つのカゴに盛るな!
これはもっとも有名な格言の1つではないでしょうか?
でも、この格言が間違いだったとしたら?
格言の意味!
そもそもこの「卵は1つのカゴに盛るな!」ってどんな格言でしょう?
卵を一つのカゴに盛ると、そのカゴを落とした場合には、全部の卵が割れてしまうかもしれないが、複数のカゴに分けて卵を盛っておけば、そのうちの一つのカゴを落としカゴの卵が割れて駄目になったとしても、他のカゴの卵は影響を受けずにすむということ。
特定の商品だけに投資をするのではなく、複数の商品に投資を行い、リスクを分散させた方がよいという教え(=銘柄分散投資)。
この用語解説集の説明そのままなんですが、要は分散投資の重要性を主張しています。
値動きの異なるアセット(資産)に分散して投資していれば、仮に1つのアセットが暴落しても他のアセットの動きによって資産全体の減少が防げるということです。
んー、分散投資の重要性は理解できるし、理論としては正しいと思うんですが、私はこの考え方はあんまり好きではありません、実はw
そもそもアセットは卵なのか?
卵ってたぶん生卵ですよね?w
それを落としてしまったら割れてしまって、食べることもできないし、孵化してヒナになることもありません。
そのイメージでアセット(資産)を考えてしまうと、大きな間違いを犯す気がしているのです。
2008年から2009年のいわゆるリーマンショックでは多くの株が暴落しました。
その時に株だけではなく、債券や金、不動産など、さまざまなアセットに分散投資しておけば、もしかしたら株だけに集中投資していた人よりも傷は小さかったかもしれません。
しかし、私たちはその後の歴史を知っています。
↑リーマンショック以降のNYダウの月足チャートです。
確かに床に落ちて割れてしまったように見えた株式は、その後に見事に孵化して成長しています。
まったく割れてなんていませんよね?w
卵が割れるか割れないかは、その人次第!!
リーマンショック時には多くの人が狼狽売りして損をしました。
著名な経済評論家といわれる人は今でも「株はギャンブルです!」って言っていますが、それはその時にミスをして売ってしまったから。
売らずに頑張って持っていれば良かったんです。
だって卵は割れてなんていなかったんだから。
「落ちて割れてしまった。だからあれは卵だったんだ!」
って思うのは、常に負けた人だけです。
リーマンショックが逆にチャンスだ!って考えて、暴落の恐怖に耐えながら買っていった強者は少ないながらいます。
そんな人にとっては、まさに割れない卵なのです。
その後に立派に孵化して成長し、資産が何倍にもなっていますから。
この格言の続きとは?
実はこの「卵は1つのカゴに盛るな!」っていう格言には続きがあるそうです。
それは、とある有名な作家の言葉と言われています。
「卵は1つのカゴに盛るな」と愚かな者は言う。これでは「金を分散し、注意を分散させよ」というに等しい。賢者は言う。「卵は一つのカゴに盛り、そのカゴをよくよく見守れ」と。賢者は投機を戒める。「人生には投機に手を出すべきではない時期は二つある。投機に回せる金がないときと、投機に回せる金があるときだ」と。そして、投資家としての失敗を嘆く。「投資機会を見つけ出せるのはたいてい、機会がなくなってからだ」と。」
マーク・トウェイン 『ノータリン・ウィルソンの悲劇(The Tragedy of Pudd’nhead Wilson)』
『トム・ソーヤーの冒険』の作者として有名なマーク・トウェインの言葉です。
彼によれば「卵は1つのカゴに盛るな」と言うのは愚かな者だそうです。
逆に賢い人は「卵は1つのカゴに盛り、そのカゴをよくよく見守れ」と言うそうです。
んー、私もこの考え方のほうがしっくりきますね。
過度な分散への戒め!
もう一度マーク・トウェインの文章を見てみます。
愚か者は「卵は1つのカゴに盛るな」と言って金を分散し、注意を分散させていると批判しています。
これは1つには分散投資が重要だから、暴落が怖いからと言って自分の資産を過度に分散させることへの戒めだと思います。
異なるアセットは、異なるアセットであるがゆえに異なる動きをします。
これは、それぞれが動く理由が異なるからです。
株と債券がよい例ですが、ちょっと前のアメリカのようにインフレが進行して株価が堅調な時には金利を上げます。
そうすると債券価格と金利は逆相関の関係ですから、債券価格は下落していました。
要はそれぞれのアセット固有の理由があって、それを受けて価格が上下しているのです。
初心者や投資の素人が、その動きの要因すべてを把握して対応できるわけがありません。
なのでマーク・トウェインは「卵は一つのカゴに盛り、そのカゴをよくよく見守れ」と言っているのでしょう。
貧乏人が分散なんて気にするな!
もう一つ重要だと思うのは、資産額が少ないうちから分散なんか気にしてもしょうがない!ってことです。
例えばここに1万円があったとします。
これを分散を意識して次のとおりの割合で投資したとします。
- 株式:2000円
- 債券:2000円
- ゴールド:2000円
- 不動産:2000円
- 銀行預金:2000円
これなら異なる5種類のアセットに分散して投資しているので、仮に株式が暴落したとしても債券やゴールドがあるお陰で「資産が減らずに済む!」「分散はやっぱり重要!」ってなります?!
ってなりますかね?
1万円なら馬券や競艇にでもブッ込んだほうがよっぽど良いと思いますけどねw
何が言いたいかというと、もともとの資産が少ない人が分散を意識しながら投資をしても大した利益にはつながらないってことです。
投資や資産運用はある程度の資金力勝負なのです。
数十万円とか数百万円程度の資金で投資をするなら、分散なんて気にしないで株式だけ買って、その動きを「よくよく見守る」ほうがよっぽど良い結果になると思います。
5000万や1億円程度のはした金!!
「5000万や1億のはした金で株と債券の配分に頭を使うのは、趣味としてならいいけど無駄な努力だ!」
私が敬愛する山崎元さんは、とある集まりでこのように発言されたそうです。
5000万円や1億円っていうお金は、投資をやっている人が目標とするような金額だと思うんですが。
しかし、山崎元さんくらいになると1億円でも「はした金」になるようです。
ここで山崎さんがおっしゃりたかったことは「分散投資をしたとして、その手間に見合う効用が発揮されるためには、ある程度のまとまった資金が必要だ」ということでしょう。
そして「ある程度のまとまった資金」とは1億円なんかじゃないってことです。
数億円から数十億円以上の資金がある人が、それを減らさないように様々なアセットに分散投資をするのです。
私のような個人投資家風情が格好つけて「分散投資」なんて言っていたら笑われてしまうってことです。
理論として正しいからと言って
卵は1つのカゴに盛るな!
という格言が間違っているとは思いません。
自分の資産を1つのアセットに集中して投資をして、失敗した人は過去数多く存在することでしょう。
ですので分散して投資することは、理論としては常に正しいことだと思います。
しかし、だからと言って常に実践すべきであるかはまた別の問題だと思うのです。
投資家によって状況はさまざまです。
特に1億円程度のはした金しか持たない私たちは、分散投資するくらいなら株式に集中してしっかり見守る(勉強する)とこのほうがより重要だと思います。
誰が分散投資をおすすめしているか??
そしてもっと重要なのが、分散投資を勧めているのが誰なのか?ということ。
ネットでこの格言を調べてみればすぐわかりますが、お勧めしているのは商品を売りたい側です。
株も債券もゴールドも不動産も買って分散すべし!って言説が広まれば、商品を売りたい側にとってはメリットがいっぱいです。
ゴールドや不動産などは、株や債券に比べるとまだまだ手数料の高い商品も多いです。
株だけを買っている人よりも、さまざまなアセットに投資してくれるお客の方がより多くの手数料を払ってくれます。
売り手側からすると、この格言はもってこいの内容だと思うのですがいかがでしょうか?
まとめのようなもの
山崎元さんは、オルカンと現金を自分のリスク許容度に応じて保有することを奨励していました。
私もこの考えに賛成で、リスク資産はオルカン1つでまったく問題ないと思っています。
仮に卵が落ちてしまったとしても(数年に1回は暴落というなの卵の落下が必ず起こります。)、捨てずに拾って大切に保管していれば、卵が孵化して雛になりちゃんと成長してくれるということです。
多くの人はカゴから卵が落ちてしまうと、割れて使い物にならないと考えて捨ててしまいます。
長期的な視点を持つ投資家は、捨てずにちゃんと孵化させられる人なのです。
複数のカゴに分散させて安心・慢心している人よりも、1つのカゴだけど落ちても割れない卵を持った投資家が生き残っていくのでしょう。
ただし、その卵が「今勢いのある個別銘柄」や「成長著しい新興国」などではなく、オルカンのように適切に分散された低コストのインデックスファンドである限りですが。
1億円という「はした金」目指してオルカンをただただ積み上げて行きます!!
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