ごましお(https://x.com/okowa1215)です。
天下のクオリティーペーパー「日本経済新聞」電子版に次のような記事が載りました。
死ぬまで減らない「不老不死」の金融資産!
すごい気になる!!
その作り方ぜひとも知りたいですよね?!
最初に答えを言っちゃいます!
「不老不死」の金融資産、それはインカムゲインを重視した「金融副業型ポートフォリオ」のことです。
本記事の中で「インカムゲイン」とは「株の配当や投信の分配金による収入」と規定されています。
(新NISAでの投資を前提にするために、生の債券は想定されていないようです。)
豊かな老後のために月額38万円が必要とされており、年金が30万円とした場合に残りの8万円をどうやってまかなうか?
こんな前提で本記事の話は進んでいきます。
2000万円の元本とちょっとの倹約
2000万円の元本で年間4%の利回りがあれば、毎月7万円弱のインカムゲインが得られます。
8万円にはちょっと足りないので、不足分はちょっとした倹約で乗り切る!
これが筆者が主張する「倹約アリ型・金融副業型ポートフォリオ」の正体です。
取り崩し型は現役時代の負担とストレスが大きい?!
「倹約アリ型・金融副業型ポートフォリオ」と対立するのが、「悠々キリギリス型・取り崩し型ポートフォリオ」です。
取り崩し型は年々資産が減少していくので、現役時代により多くの金融資産を積み上げる必要があります。
そのため豊かな老後のために「豊かでない現役」生活を強いられる可能性があるといいます。
また、資産が「底を尽く」という不安が募るためストレスになるといいます。
ストレスは現役時代もそうですが、万病のもと。健康寿命を縮めかねず、老後はもっとも避けるべきリスク因子です。
んー、こう考えると取り崩し型はよいことがないですね~。
インデックス投資家は怒り心頭??
さて、ざっと筆者が考える「不老不死」の金融資産について見てみましたが、これはインデックス投資家は黙っていられない内容なのではないでしょうか??
私もインデックス投資家の端くれなんで、ちょっと気になった点を挙げてみたいと思います。
「アリとキリギリスの例え」違くない??
取り崩し型は悠々自適ですが、資産を徐々に食いつぶしていずれ底を尽きます。金融副業型は、金融資産がせっせと働いてインカムゲインを落とし続けるので資産が減りません。なんとなくですが、イソップ童話のアリとキリギリスの比較に似ていませんか?
アリとキリギリスの例えは、普通は「将来に備えることの大切さ」を説く内容と理解されていると思うのですが。
その意味では、老後のために金融資産を積み上げて準備している今回の例は、そのどちらも「アリ」だと思います。
老後のことなんて考えず、現役時代になんの備えもして来なかったパターンを「キリギリス」と想定して対比させるのが正しい使い方だと思うのですが、、、
ちょっと読んでいて違和感が残る表現でした。
一番の違和感はここ!!
そして本記事の中で一番違和感を感じるのが次の文章です。
ちなみに、元本の運用益が増えるだろうという突っ込みが入りそうですが、ここで説明する「取り崩し型」「金融副業型」との比較では元本の運用損益は不要なので無視します。
「元本の運用損益は不要」とはどういう意味なんでしょう?
もし運用益を無視するのであれば、そもそもリスク資産である必要はありません。
タンス預金で十分なのですが、筆者は次のように説明しています。
資産形成過程では、一般に複利効果を狙うため、分配金の払い出しがないインデックス投信を購入することをよしとしますが、金融副業型ポートフォリオはインカムゲイン(株の配当や投信の分配金による収入)を重視するので、複利効果をあまり得られません。そこで元本は取り崩し型の3000万円より見劣りし、2000万円しかないという想定にします。
これを読む限り「金融副業型ポートフォリオ」に対比されている「取り崩し型ポートフォリオ」は、無分配型インデックスファンドでの運用を想定しているはずです。
そして無分配型のインデックスファンドを運用する「インデックス投資」の一番のポイントは複利効果です。
資産を取り崩している間も、資産そのものが成長し運用益をもたらしてくれます。
この点を「無視」した今回の比較は、そもそも間違った前提に立っていると言わざるを得ません。
城攻め・兵糧攻めの例えもどうなんでしょう?
戦国時代は敵の城を攻め落とすのに兵糧作戦が使われました。食料が徐々に底をつくなか、兵たちは筆舌に尽くしがたい不安や恐怖と闘ったことでしょう。しかし、城の中に広大な田畑があり、自給自足ができればどうでしょうか。兵糧作戦などなんのその、無限に戦えますね。
「取り崩し型ポートフォリオ」の場合には、徐々に減っていく資産を見て不安になります。
一方「金融副業型ポートフォリオ」であれば資産額は減らないので不安にもならず「無限に戦える」。
なので「金融副業型ポートフォリオ」が最強!!
って主張なんでしょうが、これも違和感ありありですw
日本の戦国時代に「中に広大な田畑を備えた城」というと小田原城ぐらいしか思いつきませんが、秀吉によって簡単に落城しています。
その他に巨大な城といえば大坂城とか江戸城とかですかね?
そのどちらも落城しているのは歴史の示す通りです。
(江戸城無血開城は戦国時代ではないですがw)
まあ、城攻めの例えはあくまで「例え」なのでこれ以上ツッコミませんが、これも筆者が「取り崩し型ポートフォリオ」を貶める意図があって採用した例えに感じて違和感をぬぐえません。
「金融副業型ポートフォリオ」の元本だって減る!
今回の記事を読んでいると誤解しそうなのがこの点。
「取り崩し型ポートフォリオ」は元本が減る。
でも「金融副業型ポートフォリオ」は元本が減らない!
読者を騙すために意図的に書いているのでしょうか?
それとも筆者の知識がこの程度??
当然のことですが「株の配当や投信の分配金による収入」によるインカムゲインで成り立っている「金融副業型ポートフォリオ」も、株価が下がれば元本が減少します。
そして、ここも重要ですが経済が悪化し企業の業績も悪化すれば、配当や分配金は減少するのです。
「金融資産は寿命にかかわらず一定」とか「無限」なんて言葉は詐欺ですので、決して信じてはいけませんよ!
インデックス投資の利点!
さて、インデックス投資家として筆者が否定する「取り崩し型ポートフォリオ」の利点を簡単に述べてみます。
今回の記事と同じ条件でシミュレーションしてみました。
一応リスク資産ですので、元本の運用損益を無視しないで3%と控え目に設定してあります。
60歳時点で3000万円のインデックスファンドを保有しており、毎月10万円づつ取り崩します。
20年後の80歳時点では、2150万円の資産が残っています。
ちなみに100歳時点でも614万円の資産が残っていますので、これで十分ですね。
これこそ私たちインデックス投資家が考えている資産運用の形です。
運用利回りを6%に設定すると、毎月10万円では使い切れませんw
重要な点は!?
インカムゲインを重視しようと、無分配型のインデックスファンドで複利効果を得ようと重要な点があります。
それは常に相場に居続けること。
株式などのリスク資産は数年ごとに暴落します。
必ず暴落します。
これは歴史を振り返れば一目瞭然です。
そして、その暴落を乗り越えて力強く成長してきたこともまた歴史的な事実です。
ここで想定した3%や6%といった利回りは、そんな暴落を含めたものです。
暴落が来た。資産が減少した。未来は真っ暗だ。もう終わりだ!
って思って不安になり、狼狽して相場から撤退してしまっては得られません。
「暴落に負けない強い心」
これこそが自分の資産を「死ぬまで減らない不老不死」なものにする秘訣ではないでしょうか?
最後に
私はインデックス投資家ですが、インカムゲインを重視する投資方法を否定する意図はありません。
もしインカムゲインがある投資方法が自分にあっているならば、それを突き詰めることが何より大切なのではないでしょうか?
筆者は4%のインカムゲインが得られる資産を前提としていますが、具体的な商品等は今回の記事には載っていませんでした。
どんな資産への投資を想定しているのか?
筆者が言う減らない資産とは何なのか?
気になる人はこちらの本を読んでみてはいかがでしょうか?
もちろん私も!
図書館で探してみましょうかねw
記事を読むときは、天下のクオリティーペーパーの日経新聞さんだから間違いはない!って考えは一旦横に置く必要がありますよね!
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