驚異の250倍!!金利上昇で奨学金の利率も急上昇?!JASSOの奨学金を考える。

投資のヒント
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ごましお(@okowa1215)です。

日銀の利上げによって日本の金利も上昇しています。

お金を預ける・貸す場合には金利の上昇は嬉しいですが、借りている場合にはあまりに急上昇すると返済が困難になることも。

住宅ローン金利の上昇は多くの日本人にとって気になる話題のひとつではないでしょうか?

そんな中、将来を担う日本の若者にも影響が出始めています。

奨学金の利率が上昇している!

東京新聞のこちらの記事に詳しいですが、最近は奨学金の利率が上昇してきています。

日本学生支援機構(JASSO)のホームページでは、返済が必要で有利子の第二種奨学金の貸与利率が確認できます。

ちなみにJASSOの奨学金は貸与されている期間中(大学の4年間とか)には、利率は確定していません。

奨学金の貸与が終了した後に、その時の利率が適用されることになります。

固定金利と変動金利がある!

第二種奨学金の利率には次の2種類があります。

  • 返還完了まで利率が固定される「利率固定方式」
  • おおむね5年ごとに利率が見直される「利率見直し方式」

もちろん「利率固定方式」がいわゆる「固定金利」であり、「利率見直し方式」が「変動金利」です。

令和6年の9月の最新の利率は、固定金利が1.110%、変動金利が0.500%となっています。

↓令和6年度 貸与利率一覧(年利%)

これを近年で最も金利が低かった令和元年の9月と比較してみると、6年前の固定金利は0.042%、変動金利は0.002%であり極めて低金利だったことがわかります。

↓令和元年度 貸与利率一覧(年率%)

変動金利は0.002%から0.500%になりました。

変動金利の上昇は実に250倍です!!

250倍ですよ

とんでもないですね。

入学時にはわからない返還利率

この奨学金の利率ですが、先ほども述べたように契約した時(入学時)には決まっていません。

多くの学生の場合には、4年生の3月に卒業する時の利率が返還するための利率として適用されます。

当初、極めて低い金利だからと奨学金を受給していたとしても、卒業していざ返還が始まってみたら想定よりも高い利率で返還しなくてはならないなんてことも。

月額6万円の貸与を4年間受け、返済期間16年の想定で、21年4月当時の利率に当てはめると、返済総額は294万6199円(月返済額1万5344円)だった。ただ直近の金利だと、318万6222円(同1万6595円)で、すでに返済総額が約24万円増えている。卒業時の金利が現在より上がっていれば、実際の返済負担はもっと多くなる。

奨学金にも長期金利上昇の波が… 入学時は低かったのに、返済は卒業時点の利率が適用 負担増はどこまで

東京新聞の記事内でも、利率の上昇によって当初の想定よりも返済総額が増えている状況が記載されています。

いくら奨学金だからとはいえ、契約時に利率のわからない借金(奨学金)って許されるんですかね?

実際に返済している場合でも

おおむね5年ごとに利率が見直される「利率見直し方式」ですが、平成30年度に返還を開始した場合には、第1回目の利率見直しが実施されています。

それによると、当初0.01%の利率であったものが令和6年3月~令和11年3月までの5年間は0.367%に上昇しています。

↑平成30年度 貸与利率一覧(年率%)

実に36.7倍も上昇です!

いやーびっくりですねw

返還者によって天国と地獄!

この奨学金ですが、誰が借りたお金を返すのか?によって天国にも地獄にもなると思います。

日本学生支援機構(JASSO)のホームページには、奨学金の返還例が掲載されています。

4年制の大学生が、第二種奨学金を月額最大の12万円貸与された場合の返還例が次の表です。

貸与総額が576万円。

返還総額と返還月額は利率によって当然変化しますが、最も利率が高い3%まで日本の金利が上昇したとすると、毎月3万3千円弱の返還になります。

返還総額は20年間の返還期間で775万円となります。

大学を卒業してすぐにこの775万円を背負って社会人になるのですが、もう絶望感が満載ですね。

2023年の新卒社会人の平均年収が250万円程度とすると、年収の3倍以上の借金をはじめから背負っていることになります。

毎月3万円を超える返還が20年間、自分が40代半ばになるまで継続することが決定しています。

これはもう「地獄」ではないでしょうか?

資産運用・投資として考えると、、、

実際に奨学金の返還で苦しんでいる人がいるのに申し訳ありませんが、この奨学金を資産運用や投資として考えてみると、また違った見方ができます。

上限の決まった利率

まず、返還利率が極めて低いです。

奨学金の返還には固定金利と変動金利の2種類がありますが、どちららも年3.0%が上限とされています。

基本月額に係る利率:「利率固定方式」または「利率見直し方式」に従って算定します(どちらも年3.0%が上限です)。

第二種奨学金の利率の算定方法の選択 – JASSO

現在の日本の状況を考えると、奨学金の利率が連動している日本の長期金利が3%を超えるようなことは想定しにくいと思います。

しかし、将来どうなるかは当然わかりません。

例え長期金利が10%に急上昇したとしても、奨学金返還金利は3%までしか上昇しないのです。

(法令で定められているそうです。)

これは借金する場合には利点と言えそうです。

学費はすべて奨学金で!

奨学金は学生名義で契約することになりますが、返還は当然親が援助しても問題ありません。

子供の学費はすべて奨学金で賄って、浮いたお金で運用することを考えてみましょう。

先ほど月額最大の12万円を貸与した場合には、大学4年間で総額576万円になりました。

この576万円(半端なので600万円にしますw)を子供が大学を卒業する22歳になるまでに準備します。

もちろんその600万円は新NISAでオルカンを積み上げて捻出します。

そしてその600万円をオルカンで運用しながら、20年間毎月一定額を返還していきます。

こんな想定をしてみると、どんな結果になるでしょうか?

利率上限でも利益が出ます!

奨学金返還の利率を上限である3%と想定します。

20年間、毎月33000円を返還することになります。

子供が生まれた時から運用資金の準備を開始したとすると、600万円÷22年÷12か月となり、毎月2万3千円を積み立てれば問題なく600万円貯まります。

新NISAでオルカンを22年間積み上げたと仮定して計算してみると次のようになります。

計算上は毎月の積立額は1万2千円ほどで600万円達成です。(年利5%で計算)

そしてこの600万円を毎月3万3千円売却しながら20年間運用した結果がこちら。

20年後には600万円が253万円になりました。(年利5%で計算)

この計算の結果はどういうことかというと、子供の学費は全て奨学金で賄い、20年間滞りなく全て返還した後に250万円が残ったということです。

奨学金と同額を運用したことにより、自力で子供の学費を捻出するより250万円も儲かったということです。

過去のオルカンの利回りで計算すると、、、?

過去30年間のオルカンの利回りは年平均9.3%です。

これを元に計算してみると、毎月7000円を22年間積み立てて、その20年後には奨学金をすべて返還して1300万円以上が残りましたw

過去がそうだったから、この先も絶対に儲かる!とは言いません。

しかし、子供が誕生してから奨学金を返還し終わるまで42年間という長期間運用を継続することになるのです。

過去の歴史を振り返っても、40年を超える期間をオルカンのように適切に分散された低コストのインデックスファンドを運用した場合には、マイナスになったことはありません。

40数年間、継続できるような真の長期投資家ならば子供の学費問題なんて無きに等しいと思いますが、みなさんのお考えはいかがでしょうか?

まとめのようなもの

現在奨学金の返還で困窮している人の多くは、親が多額の学費を支払う能力がないことが原因だと推定されます。

しっかりとした計画を持ち、長期に渡る資産運用を継続できる人であるならば、奨学金の低い利率はとても魅力的な投資先になると思います。

重要なのは長期的な視野を持って資産運用を出来るか否かです。

世の中のニュースに登場するのは、奨学金の返還で困窮している人たちばかり。

言葉は悪いですが、それはそれらのパターンの方がニュースとして面白いからです。

その一方で奨学金を上手に活用して賢く運用している人って、実はたくさんいるんだと思います。

そうでなければ、奨学金というシステム自体が崩壊しかねないですからね。

そんな世の中の表面にばかりに惑わされずに、堅実に賢く資産を増やしていけるような投資家になりたいものですね。

ごましお
ごましお

記事を書くのにJASSOのホームページを何度も見返しましたが、まったくもってわかりにくい!

学生がスマホで検索しても必要な情報にたどり着けないんじゃないですかね?!

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