ごましお(@okowa1215)です。
2024年から始まった新NISA制度。
開始から10カ月が過ぎました。
まだ新NISAを使っていない人。
これから新NISAで資産運用を始めたい人。
始めてみたものの良くわからない人。
そんな人のために攻略法を教えます!



今回は売却編です。
新NISA制度を使う意味
なぜ新NISA制度を使って運用を行うのでしょうか?
それは将来必ず必要になる(大きな)お金を準備するためです。
将来必ず必要になる(大きな)お金とは、子供がいる人は子供の教育費(特に大学の費用)です。
そして自分の老後資金。
これも必ず必要になるお金ですし額が大きくなります。
10~数十年間、運用を続ける!
子供が生まれてから将来の教育費を準備するとなると、18歳で大学に入学することを考えて最低18年間は運用することになります。
自分の老後資金を作るとするならば、それこそ20年とか30年といった長い運用期間になります。
新NISAでオルカンを積み上げる目的が「ちょっとした目先の少ない金額ではない」ということをまず覚えておいてください。
そしてそんな長い期間に渡って運用を続けられる人が、とっても少ないという悲しい現実も知っておいてください。
2024年8月5日には、ブラックマンデー以来の大きな株価の下げを記録しました。
大半の投資家(特に投資初心者)は、この下げで狼狽してしまって撤退(株を全部売ってしまう)してしまったようです。
2024年1月から開始された新NISA制度ですが、そこから投資を始めた初心者の人で8月に撤退したとしたら、10年どころか1年も続けられなかったことになります。
続けるにはコツがある。
10年以上運用を継続するためには、短期的な株価の下落を乗り越えていくことが必要です。
そのために重要なのが「自分のリスクの範囲ないで投資する」ということです。
「自分のリスクの範囲内」って??
簡単に言えば、株価が暴落しても逃げ出したくならないお金を投資するってことです。
そんなの暴落が来ないとわからないですよね。
なのでここでは簡単な方法として「1:1の法則」を提案します。
これは「オルカン」と無リスク資産としての「現金」を半々で保有するということです。

より多くの利益を得たいからと自分の資産の大半をオルカンにしてしまうと、いざ暴落が来た時には大きなダメージを負ってしまいます。(表上)
反対に「1:1の法則」に則ってオルカンと同額の現金を保有していれば、もし暴落が来てもへっちゃらですw(表下)
長い時間を掛けて全世界の成長を取り込んでいくのがオルカンです。
自分の資産を目一杯ぶち込まなくても、ちゃんと資産を大きくしてくれます。
それよりもどうやったら暴落した時に撤退しないで済むのか?
これをしっかり考えましょう!
ちなみに過去20年間、毎月1万円を「貯金」に1万円を「オルカン」に投資したとすると、20年後には900万円を超えていました。
長期投資の威力はそういうことです。
(あくまで過去事例です。将来がこうなるかは不明です。)
売却の原則は「可能な限り長く運用」
10年以上の長い時間をかけて積み上げたオルカンですが、いつかはお金が必要になって売る時が来ます。
そんな売却時には「可能な限り長く運用する」という原則を覚えておいてください。
可能な限り長くとは?
ここで自分の子供が大学に入学して学費が必要になったと考えてみます。
オルカンを積み上げる理由の1つが子供の学費でした。
あなたの子供が最近学費の値上げを発表した「東京大学」に入学したと想定します。(おめでとうございますw)

↑東京大学の授業料、入学料、検定料の額
東大のHPを確認すると、一般の学部生として入学すると4年間で以下の金額が必要になります。
- 入学料:28万2000円
- 授業料:214万3200円(53万5800円×4年間)
- 合 計:242万5200円
4年間で(学費だけで)242万円以上が必要です。
これはなかなか大きな額ですね。
このように確実に必要になって、かつ額の大きな将来のお金は新NISAで準備するのが正解です。
この242万円以上のお金は、それまで積み上げてきたオルカンを売却して捻出します。
だからと言って子供の入学時にオルカンを242万円分売却はしません。
必要な時に必要なだけ!
東大の授業料の納付時期・方法のページを確認すると、入学金と前期の授業料を5月に。
後期の授業料を11月に納付するとされています。
- 5月:54万9900円(2年目からは26万7900円)
- 11月:26万7900円
これが必要な時と必要な金額になりますので、その時にその分だけのオルカンを売却します。
オルカンを売却する注文を出して、実際にあなたの口座にお金が振り込まれるのに1週間もあれば足ります。
ということは、大学入学が決まった年の5月の決められた日の1週間前までは、オルカンの運用を続けられるということです。
ここがとても重要なポイントです。
入学時に242万円分のオルカンを売却して現金にしてしまうと、そのお金はその後4年間運用できなくなってしまいます。
反対に必要な時に必要な額だけオルカンを売却して、その他の金額はオルカンのままにしておけば、それだけオルカンの運用期間は長くなります。
(↓端数を省略して240万円としました。)

オルカンはその4年間の間も(理論的には)成長を続けています。(表の+αの部分)
その成長をわざわざ逃す必要はありません。
借金も種類によっては活用できる!
↑こちらで記事にしましたが、オルカンの年率よりもかなり低い金利で借りられる借金は、有効に活用できると思っています。
もちろん資金管理能力や暴落に負けない強い心があることが前提ですが、金利の低い奨学金や住宅ローンなどは敢えて満額フルローンで借りて、その余力でオルカン運用を継続すれば負けることはないと思います。
しかし注意してほしいのは、借金をして運用をすることは基本的にはタブーです。
特に絶対に使ってはいけない借金があります。
1番ダメなのは「リボ払い」ですね。
こちらのサイトでは年利を14.6%と想定していますが、リボ払いの年利の平均は15~18%と言われています。
オルカンの過去の利回りはどんなに良くても10%程度です。
また、一般的な株式投資の利回りは4~6%程度と言われています。
その数倍の年利であるリボ払いがどんなに怖いものなのか!
オルカンが頑張って世界の成長を取り込んだとしても、まったく追いつきません!
車のローンも種類によっては高い金利になります。
ディーラーロンは4~8%が相場と言われていますから、オルカンの成長力を同じくらいになってしまいます。
車をディーラーロンを組んで買うくらいなら、オルカンを売却して購入資金にしてしまった方が特になるかもしれません。
必要な時は惜しみなく使う!
この借金の例でわかりますが、オルカンの運用にこだわりすぎて(オルカンを売りたくなくて)高い金利の借金をしてしまっては元も子もなくなってしまいます。
必要な時に使うためにオルカンを積み上げているのですから、お金が必要になったら惜しみなく使うことも重要です。
でも、その際であってもどうやったら原則である「可能な限り長く運用」できるのか?
その点を忘れずに考えてみてください。
売却のまとめ
ここまでいろいろ書いてきましたが、オルカンを売る時に考えるべきことは次のとおりです。
「支払いは可能な限り遅く!」
「運用は可能な限り長く!」
大学の学費を例にしましたが、子供の入学が決まった3月などに売却することは原則に反します。
現金化できる時間をしっかり把握して、支払い期限の直前までオルカンを保有することが「可能な限り長く保有」するという原則に沿った方法になります。
売却する時に迷うのであれば、原則に沿った売却方法を試してみてください。
最後に
今年(2024年)から始まった新NISAです。
最低10年間の運用をするなら、2034年になるまでは売るなんていう発想にはなりません。
もし、今後も株価が急激に下落する時に遭遇して、自分が積み上げているオルカンを売りたくなったとしても、2034年になるまでは売却禁止ですw
オルカンを積み上げていくインデックス投資という投資方法は、とにかく投資機関の長さが重要になります。
「ただただオルカンを積み上げて放置しておく」という、文字にしてみると極めて簡単な投資方法ですが、継続できる人は案外少ないのが現実です。
最低10年以上つづけることで未来の利益を得られるようになるのか?
それとも、短期的に上下する相場に惑わされて途中で諦めてしまうのか?
すべてはあなたの考え方しだいです。
せっかく投資を始めたのですから、一緒に未来の利益を手に入れましょう!

ということで売却編はここまでです。今回で完結の予定でしたが次回「新NISAのQ&A」を記事にして完結としたいと思います。
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