オルカンと楽天オールカントリー。2024年9月の月報を確認!楽天オールカントリーの実質コストが判明!【徹底比較】

徹底比較シリーズ
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MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)をベンチマークとする2つの投資信託。

  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):通称「オルカン」
  • 楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド通称「楽天・オールカントリー」

これら2つの投資信託は、どちらが新NISAで購入するのに相応しいのか?

最新の2024年9月の月報の内容を確認してみました。

騰落率と純資産総額

騰落率と純資産総額の変化を確認します。

騰落率を確認

前回の確認時には、直近3か月の騰落率がマイナスとなってしまいましたが、直近1か月でプラスに転じています。

しかし、ベンチマークとの差異が大きくなっているのが気になるところ。

ベンチマークが+1.8%なのに、2つのファンドは+1.5%でありベンチマークに劣後しています。

8月の大きな下げで相場が乱れたことによる影響が残っているのでしょうか?

今後もベンチマークとの差異が大きくなっていくと、私たちが得られる利益がその分少なくなってしまいます。

注意して見守っていきましょう。

↓オルカンの月報に記載がある基準価額の変動要因をまとめたものです。

赤枠で囲った9月の欄を見てみると、先進国株と新興国株の上昇を日本株と為替が押し下げているのがわかります。

8月のように1000円以上という為替の大きな影響はなくなりました。

長期でみれば為替は誤差の範囲といえますが、短期的には基準価額を上下させる大きな要因になります。

オルカンはちゃんと成長をしているのに、為替要因によって成長していないように見える時期があるかもしれませんが、そこに惑わされないようにしましょう。

純資産総額の状況

直近3か月の純資産総額の変化です。

オルカンは久々の2000億円超えの増加です。

楽天オールカントリーも180億円を超えており、共に7月末で大きく減少した分を取り返してきています。

ここ6か月のオルカンのチャートです。

7月中旬の高値にはまだ距離がありますが、純資産総額は大きく伸びているのが見て取れます。

為替が当時より円高になっていますので、基準価額が前回高値を超えるにはもう少し時間が必要のようです。

楽天オールカントリーの直近6か月のチャートです。

オルカンに比べると純資産総額の伸びは緩やかですが、オルカンと同じように前回高値に近づいているのが見て取れますね。

中身の確認

それぞれの投資信託の中身を確認してみます。

国別比率の比較

ベンチマークである「MSCI ACWA」では国別順の4位にまたまた「中国」が踊り出ました。

前回、6月の月報を確認した際にも中国が急に登場し、翌月には消え去ったという事例がありました。

この辺のことは、その時のブログ記事で探求してみましたが詳細は不明でした。

今後も継続して中国がランクインしてくるのか?

またまた前回同様、短期間のランクインに終わるのか?

ちょっとスッキリしませんね。

採用銘柄の比率

採用銘柄の比率を確認してみます。

採用銘柄では大きな変化がありました!

今まで楽天オールカントリーの銘柄別1位を独占していた「IEMG(新興国株ETF)」が大きく順位を下げました。

前回7.3%で1位だったIEMGですが、今回は比率を2.4%まで減らして4位となっています。

投資信託の中にETFを含める運用方法については、ETF分のコストも上乗せされることから現物株運用に比べてコストが高くなると言われています。

楽天オールカントリーはこれまで新興国株をETFで運用する方針なのか、現物株で運用する方針なのか不明でした。

今回ETFの比率を大きく減らした(その分現物株を購入した)ことから、コストを圧縮できる現物株運用の方針であることがはっきりしましたね。

これは私たちにとってはグッドニュースです!!

今後もこの方針を続けて欲しいです。

楽天オールカントリーの実質コストが判明?!

楽天オールカントリーの第1期運用報告書が発表されました。

第1期は2023年10月27日から2024年7月16日までの期間です。

さっそく気になるコスト面を確認しますが、丸まる1年間ではないためちょっと計算が必要です。

計算式は?

日数計算(日付-日付)

↑こちらのサイトで計算すると、第1期の日数は264日です。

これを1年間にするために各数値に1.38を掛けます(365日÷264日≒1.38)

費用明細からコストを計算

交付運用報告書の「一万口当たりの費用明細(p3)」から年間コストを計算します。

比較対象としてオルカンの第6期交付運用報告書からコストを載せています。

楽天オールカントリーの信託報酬を加味した総コストは0.195%となりました。

オルカンに比較すれば、、

もちろんオルカンに比較すれば高くなっています。

しかし、設定されたばかり、ファンド内にETFを保有している、米国株比率がベンチマークから乖離しているなどなどの条件を考えてみると、私は予想外に低いコストだと感じました

楽天投信投資顧問といえば、2017年に設定された「楽天・バンガード・ファンドシリーズ」の失敗が思い出されます。

第1期の交付運用報告書において、当初想定したよりもかなり高いコストであったことが判明しました。

楽天VTなんか0.2%を下回る年間コストだと思われていたのが、蓋を開けてみたら0.5%近い高コストでした。

つみたてNISAの開始とともに、大注目を集めたファンドのこの裏切り?に、多くの個人投資家は驚きと落胆(と怒り)を覚えたものです。

私も大きな期待をもって「楽天VTI」を購入していましたが、あまりの高コストにびっくりしたのを覚えています。

それに比べれは、今回発表された楽天オールカントリーの0.195%というコストは、想定を超えるものではありませんでした。

楽天オールカントリーの今後に期待!!

今回の月報で楽天オールカントリーは、保有するETFの比率を大きく下げたことがわかりました。

そしてこれは良い方針だと思います。

ファンド内にETFを保有すると、そのETF分のコストが上乗せされます。

また、ETFはそれ自体で独自の動きをするので、ETFを保有しながらベンチマークに連動させようとすることは無理が伴います。

その点、すべて現物株で運用すればベンチマークとの連動もストレスなく行えます。

それは結果としてコストの低減につながり、それは私たちの利益につながります。

ですので、ETFの運用から現物株への運用へ転換した楽天オールカントリーの今後には大いに期待です!

最後に

さて、今回の比較で楽天オールカントリーのコストが判明しました。

丸まる1年間ではありませんので、実際にどうなるのか詳細はいまだ不明ですが、びっくりするような高コストにはならないと思います。

楽天オールカントリーは純資産総額も2000億円を超えてきており、ベンチマークとの差異も少ない素晴らしい投資信託だと評価できます。

オルカンのライバルとして相応しい相手になってきているのではないでしょうか?

私はこれから楽天オールカントリーに乗り換えることは検討していませんが、楽天経済圏の住民で楽天証券や楽天ポイントが好きな人にとっては、十分購入するに値する商品と思います。

この素晴らしい投資信託が、今後も切磋琢磨しながら私たちに利益をもたらし続けてくれたら良いですね。

私は変わらず「オルカン推し」です!

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