ごましおです。
インデックス投資家を自任するわたくしですが、一部だけアクティブファンドも保有しています。
それが「楽天・米国レバレッジバランス・ファンド<愛称:USA360>」です。
今回、第5回運用報告書が出されたので内容を確認していきます。
そもそもUSA360って?
このファンドは米国株式と米国債券に投資するバランスファンドです。

しかも単なるバランスファンドではなくて、先物取引を使うことによりレバレッジを効かせています。

1:3で保有する米国債券部分にのみレバレッジをかけて運用しています。
ですので、このファンドを1万円分購入したとすると、
- 9000円分の米国株式(VTI)
- 27000円分の米国債券(5年債、10年債)
合わせて36000円分を保有することになります。
えっ!!
1万円分しか買っていないのに36000円分??
そう、それがレバレッジファンドなのです!
ファンドの詳細については、以前こちらで記事にしていますので興味のある方は覗いてみてください。
なぜ保有している?
このファンドは年間の信託報酬が0.4675%という高コストなアクティブファンドです。
なぜ、そんなファンドを保有しているのでしょう?
それは、ずばり米国債券の値上がり益を得られると思ったからです。
インフレ対処で急激な利上げ!!

米国10年債利回りの週足です。(2020年~)
2020年のコロナショックに対処するため、大きく利下げをしたアメリカ。
当時の10年債の金利は0.5%程度とかなり低いものでした。
その後、ご存じの通りアフターコロナのインフレに対処するため、アメリカFRBは急激な利上げを行います。
毎月0.5~0.75%も上げるような、極めて急激な利上げでした。
その結果、10年債利回りは2023年末には5%を超えるほど上昇しました。
金利が上昇するということは、債権の価格は反対に下落します。
この間、米国債券の価格は継続して下落していました。
インフレが収まれば利下げ!?
当然、インフレが鎮静化すれば金利は下げられます。(利下げ)
現にアメリカFRBは9月に0.5%の利下げを発表しました。
利下げが始まれば、金利の低下にともなって債券価格は上昇します。
5%を大きく超えて10%や15%の利上げはないだろうと考えていたわたくしは、2024年中の利下げを見越してこの「USA360」を購入・保有していたのです。
運用報告書で確認してみる
アメリカの利上げと利下げで債券価格が上下して、USA360に影響を与えていることは運用報告書で確認できます。
第3期運用報告書(2022年)
基準価格の変動要因をまとめたものです。

赤枠で囲ったものが米国債券の寄与度(どれくらい価格に影響したか?)を表しています。
2021~2022年の1年間では、米国債券は30%近いマイナスの影響を与えています。
全体としては、為替が円安になったことによる20%近いプラスによって、何とか17~18%程度のマイナスに収まっています。
第4期運用報告書(2023年)
2022~2023年の変動要因をまとめたものです。

この1年間でも米国債券は20%のマイナスの影響を与えています。
米国株と円安によるプラスの影響がありましたが、全体としては10%近いマイナスになってしまっています。
このように金利を急激に上げた影響をモロに受けて、米国債券の価格は大きく低下し、レバレッジをかけて米国債券を保有しているUSA360の基準価格は底に沈んでいたのでした。
第5期運用報告書(2024年)
では、今回の報告書ではどうなったでしょうか?

どうでしょう?!
過去2年間と違って、米国債券は(ちょっとだけですが)プラスの影響を与えているではないですか!!
そして、米国株の好調と合わせて全体として30%近いプラスになっています。
やっと「USA360」の復活がやって来たということではないでしょうか!!!

過去3年間の基準価格を見ても、大底に沈んでいた価格が高値を狙える位置まで戻ってきています!!
オルカンと比較してみる。
ついに本領を発揮してきた感のあるUSA360です。
これならばオルカンにも勝てるかもしれません!
ということで比較してみました。
騰落率比較!
過去3年間の騰落率をオルカンと比較してみました。
期 間 | USA360 | オルカン |
---|---|---|
1か月 | -0.65% | +6.87% |
3か月 | +5.44% | +5.25% |
6か月 | +17.96% | +8.80% |
1年 | +44.79% | +39.93% |
3年 | -1.28% | +61.06% |
確かにここ1年から半年の急上昇はオルカンを上回っていますが、トータルで考えてみると惨敗ですよね(涙)
特にコンスタントに成長を続けているオルカンに比べて、USA360は上下の変動が大きいです。
これすなわち「リスク」が大きいから!
んー、こうやって比較してしまうと、ただただオルカンにしておけば良かっただけなんではないでしょうか??
そんな疑問が心の中で大きくなります。
もっと悪いのは、、、
やっぱりアクティブファンドなんです。
コストが高い!
今回の運用報告書から1万口当たりの費用明細の合計を確認すると、0.670%でした。
同じようにオルカンを確認すると、直近の運用報告書では0.131%でした。
実に5倍のコストがかかっています。
これは、長期で保有すればするほど効いてきます。
きっとオルカンとの差は開くばかりでしょうね、、、、
来年の新NISA用です。
現在、私はこのUSA360を550万円ほど保有しています。

幸い145万円、35%ほどの利益が出ている状態です。
しかし先ほども確認したように、同時期にオルカンに投資していればもっと利益が出たはずです。
買っていたころは、「値下がり中に債券を安く買っておいて、利下げが来て価格が上昇したら売却すれば爆益だ!」って思っていました。
でも、そんなに簡単ではないのが相場ですよね。
アメリカは利下げを始めましたが、だからと言って10年債の金利が大きく下がったか?と言ったら、そんなことはありません。
当然、金利が下がりませんから債券価格の上昇もありません。
結果、USA360は爆上げしていないのです。(残念!)
本来の狙いは2024年中に大幅に上昇したUSA360を利確して、その資金を2025年の新NISA分に充当するつもりでした。
(まあ、あと2か月で大幅な上昇があるかもしれませんが、)大幅に上昇していないUSA360を大人しく年内に利確して来年の新NISAの資金にする予定です。
ただし、すべてを利確する必要はありませんので、少額ながら夢を見て保有を継続するつもりです。
中身を理解していれば問題なし?
アクティブファンドは、インデックスファンドに比べて高コストです。
また、コストが高いからと言ってインデックスファンドよりリターンが良くなるなんてことはありません。
今回の例でいえば、年間5倍のコストが掛かっているUSA360ですが、オルカンに比べたら利益は散々な結果になっています。
ですので、まったくオススメできるファンドではありません。
しかし、これからアメリカの金利が大幅に下落すれば、債券価格が大幅に上昇することは間違いないことです。
なので、中身をしっかり理解したうえで購入するなら問題ないと思っています。
私は来年の新NISA資金にするため年末までに半分程度を売却の予定ですが、2025年以降に相場が急落してFRBが大幅な利下げを実施したら、、、
短期的には爆益をもたらしてくれるかもしれません。
そんな夢を見ながら、資産の中でちょっとだけ保有してみるのも楽しいのではないでしょうか?

今頃2倍くらいになっているはずだったんですが、、、w まあ資産の一部で夢をみることも必要ですよね!?
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