ごましお(@okowa1215)です。
石破総理のもとで「退職金増税」が検討されているそうです。
岸田前総理に引き続き、石破総理も2代目「増税メガネ」と呼ばれてしまうのでしょうか?
退職金には税金がほとんどかからない?!
11月15日、首相の諮問機関「政府税制調査会」は、退職金課税を見直す議論を開始したと各メディアが報道した。
「現行の制度では、退職金にかかる所得税は、同じ企業で働く期間が長くなるほど軽減されるというもの。ただ、終身雇用制度が崩壊を始めているとされる令和の時代において、現行の制度を改善すべきではないかという意見が相次いだそうです。~中略~
現在、退職金には『退職所得控除』により、ほとんど税金がかからない仕組みになっています。退職金に対する控除額は、勤続20年以下なら勤続年数かける40万円、20年を超えると800万円に勤続年数かける70万円をかけた金額です。~中略~
この控除を減らせば、手取りが大きく減ることになります」
記事にもあるように、現在は退職金にはほとんど税金がかかっていません。
退職金にかかる税金は次の計算式で求められます。
(退職一時金-退職所得控除額)×2分の1=課税退職所得
退職所得控除額は勤務年数によって変化します。
勤続20年までは1年当たり40万円。
20年を超えると1年当たり70万円になります。
その額を退職金からマイナスして、かつ2分の1にした金額が「課税退職所得」となって、その所得に規定の税率が適用されます。
退職金の相場はどれくらい?大企業・中小企業、業種、勤続年数による違い
↑こちらの資料から、大企業に勤める勤続30年の社員が自己都合で退職した場合を考えてみます。
モデルケースでは約1700万円の退職金(退職一時金)をもらっています。
先ほどの計算式に当てはめると、
(退職一時金-退職所得控除額)×2分の1=課税退職所得
まず「退職所得控除額」は勤続30年ですから、
- 20年×40万円=800万円
- 10年×70万円=700万円
となって、退職所得控除額=1500万円となります。
(1700万円-1500万円)×2分の1=100万円
課税退職所得100万円にかかる税金は、
- 所得税(5%)=5万円
- 復興特別所得税(2.1%)=5万円×2.1%=1,050円
- 住民税(10%)=10万円
合計で15万1050円です。
1700万円もの退職金をもらっても15万円ちょっとしか税金がかかりません。
んー、「退職所得控除額」と最後の「2分の1」ってのがかなり大きいですよね。
議論の中心は??
今回の記事を読むと「退職金課税見直し」の議論の中心は勤続年数による差にありそうです。
「現行の制度では、退職金にかかる所得税は、同じ企業で働く期間が長くなるほど軽減されるというもの。ただ、終身雇用制度が崩壊を始めているとされる令和の時代において、現行の制度を改善すべきではないかという意見が相次いだそうです。」
現行の制度では、勤続年数20年を超えると退職控除の額が増額されます。
退職控除額をグラフにしてみると、20年を境に角度が変わっているのがわかります。
これが同じ職場で長く務めた方が有利になる原因の一つですね。
一律に40万円としてみると
仮にこの勤続年数での差をなくして一律40万円とすると、下の図のグラフの差額が増税分になります。
しかしこれだと、定年を控えてこれから退職金を貰う人にとっては大増税となってしまいます。
勤続年数30年の例に当てはめると、現行では1500万円の退職所得控除額が適用されますが、増税後はそれが1200万円になってしまいます。
(1700万円-1200万円)×2分の1=250万円
その結果、課税額は次のように、
- 所得税(10%-控除額):152,500円
- 復興特別所得税(2.1%):3,200円
- 住民税:250,000万円
合計で40万5700円となります。
現行では15万1050円でしたから、25万円以上の増税です!!
んー、定年間近の人にとっては気が気でないですね。
一律50万円にしたらどう??
勤続年数が短い人に恩恵が増すように、全期間一律50万円にしたらどうでしょう?
30年以上勤務した人には増税になりますが、勤務年数が短い人にとっては減税となります。
勤続年数に関係なく、いつ退職しても同じ比率で控除を受けられます。
同じく定年間近の人には申し訳ないですが、終身雇用が崩壊しているこれからの労働環境等を考えると現実的かもしれませんね。
まさかの大増税もあるかも?
上の図のように現行40万円の半分の20万円で全期間ならす、なんていう大増税プランがあったりするかも?!
この場合は30年勤務しても600万円しか控除がもらえません!!
んー、石破自民党は政権崩壊しそうですねw
そもそも退職金なんていらない!?
厚生労働省の調査によると、令和5年現在、退職金制度がある企業は全体の74.9%となっています。
多くの企業に退職金制度があるように見えますが、これが平成20年当時は83.9%でしたので10ポイント近く減ったことになります。
退職金制度を備えた企業数が減ってきているということですね。
これは、終身雇用制度が崩壊したことと関係しています。
退職金制度は法律で決められたものではありませんので、そもそも従業員が定年まで勤めることを前提としていない企業であれば、退職金制度がなくても問題ないのかもしれません。
↑こちらのホリエモンの記事に詳しいですが、退職金制度って企業側にとってメリットがある一方、従業員側からすると人質のようなものですよね。
真面目に大人しく会社に文句も言わずに馬車馬のように働けば「ご褒美」が貰えるw
もし、そうじゃなくて不真面目な従業員だったら退職金が取り上げられたりするわけです。
↑公務員の飲酒事故からの懲戒処分による退職金ゼロ案件ですので、ちょっと意味合いが違うかもしれません。
しかし、最高裁判事の一人は、
・一般の退職手当には給与の後払い的な性格や生活保障的な性格がある
・この観点から、当該非違行為に、退職者の勤続の功(こう)を完全に抹消するに足りる事情があったと評価することができるかどうかについて慎重に検討すべき
と述べています。
退職金が給料の後払いだとしたら、それを後から払わない!って言うのは違いますよね。
そう考えたら、ホリエモンが言うように退職金なんて全部なくしてしまって、その分を毎月の給料に上乗せすれば良いと思います。
今話題の103万円の壁がちゃんと撤廃されれば、毎月の給料が増えてもそんなに負担が増えることもないでしょう。
現状に合わない制度は変えるべきだが
終身雇用が崩壊している現在において、その現状に合わない制度は変更すべきだとは思います。
また、アメリカのように退職金がそもそも存在しない国もあるのです。
ですので、議論として退職金増税の話が出てくるのは一応理解はできます。
しかし、これから議論を始めて10年後ぐらいに新制度に変わったとすると、今の40代後半から50代前半の人が退職する時期に当たります。
その世代(もちろん私も)は、いわゆる就職氷河期世代でロストジェネレーション世代なんて言われています。
またまた、われわれ世代が試練を迎えなければならないなんて!!
つくづく嫌になりますね。
そうならないように玉〇さんには頑張ってもらいたいです。
石破さんも「増税メガネ」の異名を名乗るのか!?今後の動きに注意ですね!!
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