ごましお(@okowa1215)です。
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)をベンチマークとする2つの投資信託。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):通称「オルカン」
- 楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド:通称「楽天・プラス・オールカントリー」
これら2つの投資信託は、どちらが新NISAで購入するのに相応しいのか?
最新の2025年1月の月報の内容を確認してみました。
騰落率と純資産総額
騰落率と純資産総額の変化を確認します。
騰落率を確認

2025年最初の1か月はわずか0.1%の上昇にとどまりました。

オルカンの価格変動要因を見てみると、先進国株は順調に伸びましたがドル円相場が円高方向に振ったため、為替のせいで利益が消えてしまっています。
ドル円相場は2月21日現在で、節目の150円を割り込み1ドル149円前半となっています。
短期的に見ると為替の影響は大きいですが価格寄与度の設定来計を確認すると、基準価格上昇分17705円のうち為替要因は5174円です。
約30%ですから無視できるわけではありませんが、その倍以上の株価上昇があってオルカンは今の価格になっています。
今後円高方向に進めばオルカンの利益を縮小してしまいますが、それは仕方がないこと。
株価の上昇を信じて保有するしかありません。
自分でコントロールできないことをあれこれ悩んでも仕方ありませんので、自分ができることに集中しましょう。
純資産総額の状況

直近3か月の純資産総額の変化です。
基準価格の伸びが0.1%しかなかったと言え、オルカンの純資産は3800億円の純増です。
多くの人が短期的な価格の変動に惑わされることなく、淡々と購入・保有を継続していることが見えますね。
楽天・プラス・オールカントリーも3000億円を超えて3100億円に到達しました。
んー素晴らしい!
国別比率の比較
それぞれの投資信託の中身を確認してみます。

ベンチマークである「MSCI ACWA」では国別順で「中国」が4位から5位に順位を下げました。

オルカンや楽天・プラス・オールカントリーの国別構成比率では登場しない中国です。
ちょっと疑問に思ってオルカンのHPにあるお問い合わせに質問を送ってみました。
(楽天・プラス・オールカントリーのページではお問い合わせ欄がありませんでした 涙)
オルカンを運営している「三菱UFJアセットマネジメント」から回答がありましたので共有します。
オルカンの組入国に中国がない理由とは?
三菱UFJアセットマネジメントによると、中国が月報の組入国・地域に出てこない理由は次のようになります。
- 外国株式インデックスマザーファンドは投資対象銘柄の主要取引所所在地で登録
- 新興国株式インデックスマザーファンドは投資対象銘柄の法人登録地で登録
- MSCIの分類基準とは異なるため、中国の比率に差が生じているが、ファンドはMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスとほぼ同様の組入れを行っている。
私が以前調べたことは概ね正解だったようです。
簡単にいうと新興国株については、中国株であっても会社の法人登録地の国に分類されるということです。
例えば、中国の広東州深圳市に本拠を置く中国の多国籍企業である「テンセント・ホールディング(騰訊控股有限公司)」があります。
中国の広東州にあるのですから中国株に分類されそうですが、テンセントの登記上の本社はイギリス領ケイマン諸島にあるそうです。
なぜそうしているのかは不明ですが(税金とかの関係??)、これはオルカンの分類では中国株とはみなされないということのようです。
んー、むずかしいw
三菱UFJアセットマネジメントの回答では最後に、
ファンドはMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスとほぼ同様の組入れを行っておりますので、ご安心ください。
問い合わせに対する回答
とおっしゃっています。
私は信じて安心しますw
採用銘柄の比率
最後に採用銘柄の比率を確認してみます。

全般的にアメリカ株の比率が前回よりも下がっています。
例えば2位のNVIDIAですが前回は4.25%でしたが、今回は3.68%まで比率が低下しています。
年初来からのアメリカ株(VOO)とヨーロッパ株(VGK)を比較したのが下のチャートです。

青がアメリカ株(VOO)
黄色がヨーロッパ株(VGK)
年初来ではアメリカが2.4%の上昇に対してヨーロッパ株は10.18%も上昇しています。
それがランキングでのアメリカ株の比率の低下要因かもしれませんね。
アメリカ株が不調でヨーロッパ株が好調でも、それらをちゃんと余すことなく取り込めるのがオルカンや楽天・プラス・オールカントリーのよいところ。
今後世界のどの地域が好調になるのかは不明ですが、オルカンや楽天・プラス・オールカントリーを購入していれば問題ありません!
最後に
さて、今月も2つのファンドを比較してみました。
毎回ちょっとマニアックに2つのファンドを比較することで、ちゃんと消費者である私たち投資家を裏切らない運用を継続していることが確認できます。
1月は0.1%の上昇と元気がなかった全世界株ですが、短期的な上下は常につきものです。
今年は本格的な不調の年になるかもしれませんが、そうだとしても自分でコントロールできる範囲のことを、淡々と実行することしかできません。
そしてそれこそが、自分の資産を大きく増やすことになるのだと信じて資産運用を継続しましょう!

三菱UFJアセットマネジメントさん!問い合わせに対する素早い回答ありがとうございました。
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