ごましおです。
御年96歳を迎えた「投資の神様」ウォーレン・バフェット。
現在、23兆円を超えるバークシャー・ハサウェイの株を保有するバフェットですが、2034年までにそのほぼすべてを寄付する計画を明かしています。
もはや桁が大きすぎて一般人の感覚からすると「意味不明」ですが(笑)、なぜ現金ではなく「株式そのもの」を寄付するのでしょうか?
そこには、アメリカと日本の「投資や寄付に対する姿勢・制度」の大きな違いが見えてきます。
日本にも同様の制度があれば、もっと寄付する人も増えると思うんですけどね。
資産の99%以上を社会へ還元する神様
大量の株式を寄付することで有名なバフェットですが、今回は60億ドル相当(日本円で約9600億円!)の自社株を、自身の子供たちが運営する財団や妻の名前を冠した財団へ寄付するそうです。
寄付先は以下の4つの財団です。
- スーザン・トンプソン・バフェット財団(世界中の女性の健康・医療支援)
- シャーウッド財団(教育のサポートなど)
- ハワード・G・バフェット財団(食料問題の解決など)
- ノボ財団(環境問題の解決や病気の予防など)
寄付された株式は、それぞれの財団で売却されて現金化され、各種活動の資金にあてられます。
インデックス投資家として私たちが日々コツコツと資産を積み上げているのとはスケールが違いすぎますが、個人の投資成果が巡り巡って世界規模の課題解決に使われるというのは、非常に壮大で素晴らしい仕組みです。
なぜ「現金」ではなく「株式」で寄付するのか?
では、なぜバフェットはわざわざ株式そのものを寄付するのでしょうか?
その理由は、アメリカの強力な税制優遇措置にあります。
アメリカの法律では、株式を寄付することに対して以下のような絶大なメリットが用意されています。
- 寄付した株式の時価が、その年の所得からそのまま差し引かれる(寄付金控除)
- 株式を譲渡(寄付)した際のキャピタルゲイン税が一切かからない
- 受贈者側(財団側)にも税金が発生しない
つまり、株価が何倍にも跳ね上がった莫大な含み益を持つ株式であっても、それをそのまま寄付すれば、国にキャピタルゲイン税(約2割)を1円も持っていかれることなく、全額を社会貢献に回せるのです。
寄付者をここまで強力にバックアップする仕組みが、アメリカには整っています。
日本で同じことをすると…「税金がっぽり」の現実
では、もし私たち個人投資家が、日本で同じような行動をとったらどうなるでしょうか?
日本では、個人が保有する株式を財団などに寄付した場合、「その時の時価で、いったん他人に売却したもの(みなし譲渡)」として扱われます。
ということは、当然ながら「値上がりした含み益に対して20.315%の税金」が発生します。
つまり、株を寄付した人は、手元が現金として入ってこないにもかかわらず、税金だけをキャッシュで支払わなければならないという悲惨な状況に陥ります。
(※国や自治体、特定の認定NPO法人等への寄付には一定の優遇はあるものの、米国ほどスムーズではありません)
アメリカと比べると、日本がいかに「投資や資産の移転・社会還元」に対して消極的(というか、網をかけて税金を取りに来る)かがよく分かります。
これでは、善意で株式を寄付しようというハードルがあまりにも高すぎます。
私たちがリスクテイカーとして思うこと
私たちインデックス投資家は、日々の労働で得た「税金が引かれた後の残りの手取り」からコツコツと資金を捻出し、世界経済の成長を信じて株を買っています。
インフレの不安や、時には資産が大きく目減りする下落相場の恐怖(価格変動リスク)に耐えながら、自分の責任で資産を増やしてきました。
そうやって築き上げた資産を、いざどう使うか・どう社会に還元するかの自由度や選択肢が、もっと日本にあっても良いのではないでしょうか。
アメリカのように一切税金が発生しない制度というのは、残念ながら日本にはありません。
国民が資産運用に積極的になるアメリカと、積極的ではない日本との差は、この辺りにも一因があるのではないでしょうか?
「貯蓄から投資へ」とスローガンを掲げ、国民に資産運用を促すのであれば、出口戦略や資産の活用方法についても、もっと投資家に寄り添った制度設計にアップデートしてほしいところです(……あまり期待はできませんが(笑))。

アメリカのこうしたフェアで柔軟な税制を見ていると、純粋に「うらやましく」思ってしまいますね。





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