ごましおです。
先日、「カレー物価」という独自目線でインフレ度合いを測る記事を公開しました。
実は、カレーつながりでもう一つ面白い指標があります。
それが「カツカレー指数」です。
これは、適正な為替水準を分析する際に用いられるユニークな指標なのですが、これを見ると、現在の為替がいかに「異常な円安水準」にあるかがよく分かります。
1ドル=60円台が適正水準!?

この「カツカレー指数」は、世界展開しているチェーン店の価格を比較することで、通貨の本来の購買力(適正な為替水準)を測るものです。
カレーハウスCoCo壱番屋のカツカレーの値段を日米で比較すると、驚くべき結果が出ます。

- 日本のココイチ: 約1,000円
- 米国のココイチ: 約13〜19ドル

仮に現在の為替レートを1ドル=160円として計算すると、アメリカでカツカレーを食べるには1皿2,080円~3,040円もかかることになります。
アメリカのココイチ、かなりお高いですよね……。
この日米のカツカレー価格を「同じ価値(適正な為替水準)」として釣り合わせる場合、弾き出されるレートはなんと1ドル=62円18銭になります。
つまり、モノの価値から見れば1ドル=60円台が適正であり、現状の1ドル160円という数字は、円の価値が著しく過小評価されていることを意味しています。
カツカレー以外でも「円」は安すぎる
カツカレーだけでなく、身近なサービスで比較しても同じような結果になります。
| 指数(比較するモノ) | 「本来の実力」目安 | 実際の市場レートとの比較 |
| カツカレー指数(CoCo壱番屋) | 1ドル = 約62円 | 著しく円が過小評価されている |
| ビッグマック指数(マクドナルド) | 1ドル = 約80〜90円 | 大幅に円が過小評価されている |
| トールラテ指数(スターバックス) | 1ドル = 約90〜100円 | 大幅に円が過小評価されている |
| ディズニーチケット(1日券) | 1ドル = 約60〜70円 | 著しく円が過小評価されている |
いずれを見ても、現在の為替レートとは大きな乖離があります。
今の為替レートを基準にすれば、日本のココイチのカツカレーは2,000~3,000円で売られていなければ計算が合いません。
では、なぜ日本の物価はここまで安いのでしょうか?
日米で同じ原材料を使っていると仮定すれば、残る大きな要因は「人件費」や「家賃」の差です。
やはり、日本の人件費の異常な低さ(賃金が上がっていないこと)が根本的な問題として浮き彫りになります。
人件費を上げるか、円高にするか
この歪んだ為替水準を適正化するには、大きく分けて2つのアプローチしかありません。
- 賃上げを行い、日本の物価をアメリカ並みに上昇させる
- 何らかの方法で強烈な「円高」に誘導する
日本政府は積極財政や賃上げを推進していますが、企業が賃上げを行えば、それはそのまま商品の価格に転嫁され、物価はさらに高騰します。
しかし、アメリカ並みの物価となれば、カツカレーが今の2〜3倍になるということです。
急激な物価上昇は、生活者である私たちにとって死活問題になりかねません。
記事の最後では「この物価ギャップがあまりに広がると、国民の不満が高まって政策変更の圧力になる」と指摘されていますが、痛みを伴わずにこのギャップを埋める画期的な魔法の政策など、あるのでしょうか?
円高圧力は「オルカン」の暴落リスクになり得る
現在、円の価値が安すぎる(円安)恩恵を受けて、オルカンなどの外貨建て資産の評価額はうなぎ登りになっています。
オルカンを中心に運用している私としても、口座残高が増えるのは嬉しい限りですが、「この極端な円安水準が永遠に続く」とは考えていません。
株価と同じように、為替も行き過ぎれば必ず揺り戻し(平均回帰)が起こります。
1ドル=160円が一気に60円台になるような極端なシナリオは考えにくいですが、今後数年単位である程度の「円高」へ向かう圧力がかかれば、円換算したオルカンの基準価額はダイレクトにマイナス影響を受けます。
歴史を振り返れば、1ドル=70円台前半まで円高が進行した時代もありました。
もし今の水準からそこまで円高が進めば、株価の変動を抜きにしても為替のマイナス要因だけで資産価値が半減(-50%)してしまいます。
為替差損による一時的な暴落は想定内(想定したくはありませんが…)として受け止め、どんな相場になっても狼狽売りせず、淡々と積み立てを継続する。
そのための「心の準備」だけは、今の絶好調な相場だからこそ、しっかりとしておきたいですね。

外国人観光客からすると、今の日本の物価の安さには本当にびっくりするでしょうね。「安い日本のままがいいのか?」投資家としても生活者としても、非常に悩ましく難しい問題です。




コメント