山元節さく裂!金融業界の闇を暴く名著。ぼったくられる前に正しい知識を身に付けよう!

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山崎元著『信じていいのか銀行員 マネー運用本当の常識』を読んだので、感想と紹介を。

相変わらず舌鋒鋭い「山元節」がさく裂しています。 

著者について

インデックス投資界隈ではとっても有名な山崎元(やまざきはじめ)さん。

この本の紹介文によると、経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員、株式会社マイベンチマーク代表。1958年北海道生まれ。東大経済学部卒業後、三菱商事に入社。その後、12回の転職を経て現職。個人の資産運用分野を中心に経済解説など、執筆、講演、TV出演多数。著書多数。となっています。

私も今まで多くの山崎さんが書かれた本を読んできました。

金融業界や資産運用について、忖度なく、ズバッと真実を明らかにする姿勢は素晴らしいです。

論理的で、主張に一貫性があり、豊富な経済知識を元に数々の問題について私たちに教えてくれますが、とても平易でスパイスの効いた文章は資産運用の初心者でも、簡単に読むことができると思います。

私がインデックス投資に目覚めるきっかけとなった人物です。

今回の著作について

今回私が読んだ『信じていいのか銀行員 マネー運用本当の常識』(講談社現代新書)は、2015年12月に出版されたちょっと古いものになります。

出版された当時、購入して読んだ記憶があります。

今回、新NISAが開始される直前の、この浮かれた気持ちを一刀両断してもらおうと手に取って見ました。

この本のテーマは、「銀行員をはじめとした金融業界にぼったくられないように、正しい知識をつけましょう」ということだと思います。

前半部分で金融業界の闇?を暴いていきます。

情報弱者がどんな方法で「高額な」商品を買わされているか。

その高額な商品がいかにダメなものなのか、教えてくれます。

その内容は忖度も容赦もないから、読んでいて楽しくなります。

  • 銀行が売る投信はクズばかり
  • ラップはクソだ!
  • 運用者の「腕」は幻想だ
  • 金融マンに人生相談などしてはいけない

などなど。舌鋒鋭く私たちに警告を発してくれています。

だまされる側の罪

銀行員をはじめとした金融機関(証券、保険)側が、情弱を(上手に)だましている訳ですが、それと同時にだまされる側の知識不足も問題です。

山崎さんは運用の判断を放棄してしまうことの危険性を教えてくれます。

「忙しい人、運用が分からない人は、運用を専門家に任せたらいい」というコンセプトには、運用商品の売り手側が仕掛けた罠が潜む。

『信じていいのか銀行員 マネー運用本当の常識』p97

まさにこの「運用を専門家に任せる」ということのアンチテーゼのつもりで、私はこのブログを始めました。

自分自身で考えて、調べて、勉強して資産運用を行う。

忙しい人は出来る範囲で、知識がない人は必要な知識をちゃんと身に付ければ、資産運用は可能です。

「なんかむずかしそう。」「私には無理!」と思って躊躇している人の心の壁をちょっとでもなくせればよいですが。

ではどうする?

本書の後半部分では、個人がどうやって資産運用を行うかについて、とても具体的に教えてくれます。

2015年の著作なので、現在の状況(新NISAなど)とはちょっと異なりますが、基礎的な考え方の部分はとても参考になります。

具体的な手順で資産運用を開始する方法が述べられており、私も後輩教育を行う際の参考にさせてもらっています。

資産運用の初心者には、専門的な用語や経済の知識は期待できないので、簡便な方法を使って初心者を導くというやり方は、とても重要だと思います。

投資先として本書では、内外のインデックスファンドを1:1で保有することを勧めています。

日本株をETFで50%、海外株を投資信託で50%です。

現在著者はこの部分は全て「オルカン」が良いと主張されています。

オルカン1本持っておけば、状況の変化に対応してくれるし、極めて低いコストで保有することができるからです。

私も自信を持って「オルカン」を保有し、他人にすすめることができます^^

注意点

本書を読んで特に印象に残ったのは、次の文章です。

お金の運用で重要な原則の一つとして「運用の相談相手と運用商品を買う相手を一緒にしてはいけない」と申し上げておく。

『信じていいのか銀行員 マネー運用本当の常識』p100

本書の執筆時点で著者は「楽天証券」の研究員でした。すなわち証券会社の人間です。

(2023年3月に退職しており現在は関係ないようです。)

当然、金融商品を売る側の人間だということです。

その著者が書いた本に、自社(楽天証券)や自社の商品についての「忖度なしの意見」は書きにくいというのが一般的な考えです。

なので本来、この手の著作を読むときは注意しながら読む必要があると思います。

著者本人が意識してなくても、商品を売る側に都合の良い情報が盛り込まれる(または、都合の悪い情報が隠される)場合があるからです。

著者も本書の中で、「経済評論家である自分を信頼するべきではない」と述べています。

最後に(オールを任せるな!)

この著作の核心は「他人に任せずに自分で考えて資産運用を行うべき」だと思います。

これは山崎さんが至ることろで主張されていることです。

本書は、これから資産運用を始めようとしている方にぜひとも読んでもらいたい良書です。

また、すでに資産運用をしている方も、新NISAで盛り上がっている自分の心を落ち着かせるために1度手に取ってみてはいかがでしょうか?

ごましお
ごましお

新NISA全てをオルカン1本で!この決意を新たにしました^^

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