ごましお(@okowa1215)です。
2019年11月に設定された楽天・米国レバレッジバランス・ファンド「USA360」は2023年11月で設定4周年となりました。
私も資産の一部で保有しているこの「USA360」は、今が買いなのか?
そもそもUSA360とは?
「USA360」とは愛称であり、「楽天・米国レバレッジバランス・ファンド」が正式名称です。
リンク:楽天・米国レバレッジ・ファンド
名前にもありますが、米国株と米国債券を組み合わせたバランス・ファンドであり、決められた指数に連動するインデックス・ファンドとは異なります。
しかも、レバレッジと呼ばれる、少ない元手で大きな取引を行う投資手法を使用したバリバリのアクティブ・ファンドです。
運用の中身
↑投資信託説明書から抜粋
投資先は90%の米国株式と、270%の米国債券です。
この投資信託を1万円分購入したとすると、
- 9,000円分の米国株式(VTI)
- 27,000円分の米国債券(5年債と10年債)
に投資したことになります。
1万円しか買っていないのに、なんで3万6千円分買っているの?
と疑問に思いますが、これこそがレバレッジ投資。
債券の先物を利用して、少ない元手で270%という大きな取引を行っているのです。
ただし、値動きが激しい株式部分にはレバレッジが掛かっておらず、比較的値動きが少ない債券にのみレバレッジを掛けています。
なんのために?
なぜこんな変わった(?)運用をしているんでしょうか。
それは伝統的に米国株と米国債は相関が低く、反対に動くことが多いからです。
米国株が下落している時でも、反対に動く米国債が上昇することによって損を少なくし、利益を増やしてくれることが期待できます。
↑販売用資料から抜粋
実際にコロナショック時には、米国株が約30%下落したのに比べ、USA360は10%程度の下落に留まっています。
その結果、米国株単体よりもパフォーマンスが向上しているのがわかります。
楽天さんの販売用資料によれば、
- 30年間の積み立て投資で、約30倍に!
- 一括投資して30年間運用すれば、なんと157倍に!
と、強気な姿勢がうかがえます。
これは期待大ですね!
でも全部裏目に出てます!
しかし、実際の運用結果を見てみると、、、
- 2022年の1年間で約35%の下落
- 直近1年間では、約4%の上昇(スリム米国株式は約20%の上昇なのに、、、)
と、惨敗状態( ゚Д゚)
ダブル・パンチを打たれてます
米国債と米国株の年間の動きをまとめた表です。
米国株(表の上段)がマイナスの時は、米国債(表の下段)がプラスになっています。
過去においては、米国株と米国債の相関関係が低い(=反対の動きをする)ことが表から読み取れます。
しかし、一番右端の2022年は様子が異なります。
米国株が20%近くのマイナスで、米国債も10%以上のマイナスになってしまっています。
これは、コロナ禍後のインフレに対処するため、アメリカFRB(日銀に相当)が金利を急激に上げているせいです。
金利の急騰が弱点
利回り(金利) | 債券単価(価格) |
---|---|
上昇↑ | 下落↓ |
下落↓ | 上昇↑ |
金利の上昇は、債券価格の下落を意味します。
特に2022~2023年の急激な金利上昇は、米国債券の急落を招いています。
すなわちインフレに対処するため金利を急激に上げた結果、米国株とともに米国債券も急落してしまったのです。
こうなると「USA360」にとっては泣きっ面に蜂、ダブルパンチを打たれて見事に惨敗状態です。
それでも今が買い!
では、USA360は買いではないのでしょうか?
私は今が買いだと思っています。
金利は今後下がるか?
FRBがインフレに対処するため金利を急激に上昇させて、米国10年債利回りが一時5%を超えていました。
しかしながら、FRBは連邦公開市場委員会(FOMC)において、政策金利を2会合連続で据え置きました。
関連記事:米FRB、政策金利の誘導目標を2会合連続で据え置き、長期債の利回り上昇が新たな考慮事項
毎回のFOMCで利上げを実施してきたFRBのスタンスは、変化してきています。
もうこれ以上、利上げをしなくてもインフレ対処が可能なところまで来ているのかもしれません。
まだ、利下げに関する言及はありませんが、今後(来年あたりに)利下げが開始される可能性もあるかもしれません。
もし、利下げが始まれば債券単価は上昇です。
金利低下は株価にもポジティブ
金利が低下すると債券価格だけではなく、株価にとってもポジティブ(肯定的)な影響があります。
特に米国の経済状態は悪くありませんので、株価の一段の上昇が期待できるかもしれません。
そうなってくると、米国株とレバレッジを効かせた米国債券の「USA360」は爆上げです!
最後に
「USA360」はインデックス・ファンドではなく、アクティブ・ファンドです。
歴史的に多くのアクティブ・ファンドはインデックス・ファンドに負けてきています。
また、信託報酬も 0.4945%程度と、オルカンなどと比べると10倍近く高いです。
そのため、私としては長期で運用することは考えていません。
また、その投資金額も資産全体の10%以下と少なくしています。
2024年中に起こるであろう金利の低下と米国株の上昇に乗って爆上げした「USA360」を利確して、2025年の新NISA資金に充当するつもりで運用しています。
目論見とおりに事が進むのか、楽しみですね。
目論見通りに行かないのが相場。でもUSA360は爆益だと思うんだよな~
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