末岡よしのり氏の「『お金持ち列車』の乗り方」を読みました。
この本はいわゆる投資関連の本ではありません。
大金持ちである著者が、大金持ちならではのものの見方、考え方、生き方を紹介する内容です。
話のスケールが大きすぎて、正直貧乏人の私には理解が及ばない内容が多かったです。
しかしこんな貧乏人な私にも、日々の生活や投資において参考になりそうなページもありましたので、内容を一部紹介したいと思います。
著者はどんな人?
日本のロバキヨ 末岡よしのりとは?
1976年北海道生まれ。札幌大学卒業後、2005年に、ロバート・キヨサキ氏の「金持ち父さん、貧乏父さん」の本に出会い、感動し「金持ち父さん」になると決意。2年後アパートを持ち、3年後起業。パーフェクトパートナー(株)創業。
末岡よしのり 公式サイト
14年後、現在ではたくさんの賃貸マンション、ビルを保有し、投資用不動産の販売・建築・管理の会社を経営の他、セミナーイベントの主催や複数のホテルを経営。今後も新規事業を計画し拡大中。
不動産投資で財を成した人のようです。
私もロバート・キヨサキの「金持ち父さん、貧乏父さん」は読みました。
「金持ち父さん」になると決意して、実行し、成功してしまうなんて行動力の塊のような人ですね。
お金持ち列車とは何?
お金持ち列車とは、私たちを人生の目的地まで乗せて行ってくれる乗り物のことです。
本の中で3種類の定義がされています。
- 小銭持ち:お金に一生縁のない人
- 小金持ち:ある程度成功し地位も名誉もある人
- お金持ち:お金と時間と場所から解放され、人生の夢を叶え、多くの人から愛され、また自分の生み出した富を多くの人達に還元している1%の人
「お金持ち」の定義だけ内容がぎっしりですが、要は貧乏を脱出し人生の目的地(それは自分で決める)に行くためには「お金持ち列車」に乗るしかない。
その方法を教えてくれるのが、この著作であるということです。
ちなみに「お金持ち列車」に乗る切符の値段は「1億円」だそうです。
もうこの時点で多くの人は改札すら通過できそうにありませんが、流石「お金持ち」は全人口の1%しかいませんので仕方ありません。
日本の場合、1億円以上のお金持ちは次の3種類しかいないようです。
- 芸能人、スポーツ選手、医師、弁護士などの特殊な技能職:20%
- 企業経営者:40%
- 不動産所有者:40%
そして著者は、
日本で「お金持ち」になるためには、最終的にこの3つのうちのどれかを選ぶ必要があるのです。
『お金持ち列車』の乗り方 p25
と言っていますので、私のような単なるサラリーマンは資産1億円以上の「お金持ち」にはなりそうもありません。
ここまで読んでみても、著者は株式投資などにはあまり興味がないご様子です。
ちょっと読む本を間違えたかと後悔し始めていたのは内緒ですw
お金を増やす方法は、たった3つ
お金を増やす方法は3つしかありません。
お金のリテラシーとは、「お金を使いこなすための知識・経験」のことです。
お金を増やす方法は、「稼ぐ」「貯める」「投資する」の3つしかありません。
『お金持ち列車』の乗り方 p40
「お金のリテラシー」「投資する」といった、私が欲しているような内容です。
しかし、そのお金のリテラシーのレベルは収入と資産の額でわかるのだそうです。
その額が曲者です。
あなたの年収と資産 | お金のリテラシーレベル |
---|---|
年収~1000万円 資産~1000万円 | 低い(小銭持ち) |
年収1000~5000万円 資産1000~1億円 | 普通(小金持ち) |
年収5000~ 資産1億円~ | 高い(お金持ち) |
年収5000万円もある人が資産が1億円しかないのか??
っていうツッコミは置いておくとしても「年収と資産」と言っていますので、私のように年収1000万円未満で資産5000万円だとお金のリテラシーの低い「小銭持ち※」です。
※小銭持ち=お金に一生縁のない(可哀想な)人=私ですw
給与所得者で年収1000万円を超えている人の割合が約4.9%だそうですので、やはり雇われの身では列車に乗れないようです。
しかし、この定義のままだと資産が5億円とかあっても収入が200万円だとお金に一生縁のない小銭持ちになってしまうんですけど。
やっぱり著者のミスで「収入または資産」とすべきだったと勝手に頭の中で変換して先に読み進めました。
「ケチ」と「節約」の違い
ここからは資産運用をする個人投資家として参考になった内容をピックアップしていきます。
一円でも無駄遣いはしません。そのお金を支払う価値や意味があるかどうかを常に考え、無意味な出費を最低限に抑えています。
そして不要な出費を抑えて作った資金は、将来のリターンを考えて投資します。
『お金持ち列車』の乗り方 p54
お金持ちはお金の価値を理解しているので無駄遣いはしないが、貧乏人は価値を分かっていないので無駄なものにお金を使ってしまう。
私もこれって真理だと思います。
お金持ちの節約の例として、ビル・ゲイツとウォーレン・バフェットが登場します。
ビル・ゲイツ(マイクロソフト創始者)は、マックに行くと必ずクーポンを使うのだとか。
よくデートでクーポンを使う男を見てドン引きしたなんて女性の意見を聞きますが、ぜひこの話を聞かせたいですね。
ビル・ゲイツで有名な話としてはこれもあります。
よく腕時計だけ豪華にする成金?がいますが、そんなメンタルとは正反対の大富豪!
この時ビル・ゲイツが付けていたカシオのダイバーズウォッチは1万円ちょっと。
資産額で考えたら、私なんて腕時計買えませんよw
(私は2000円の格安時計を使ってますw)
「投資の神様」ウォーレン・バフェットは60年前に買った300万円くらいの中古の家に住んでいるそうです。
車も同じくらいの一般車に乗っているそう。
ウォーレン・バフェットの資産額は、15兆円超だとか(1000億ドル)!
これら大富豪の2人に共通しているのは、無駄なものにはトコトンお金を使わないこと。
見栄のためにお金を使う人は、どんなに収入が高くてもお金持ち列車には乗れません。
『お金持ち列車』の乗り方 p56
腕時計も家も車も、高価なものであっても機能はさほど変わりません。
ではなぜ高価なものを買ってしまうのか?
それは全て見栄です。
そんな見栄を捨てて浮いたお金で投資をする。
これがお金持ちになる近道ですね。
タクシー会社は保険に入らない
著者によると、タクシーやトラックを使っている運送会社は、民間の任意保険(自動車保険)に加入していないのだとか。
トラックを1600台保有している運送会社が任意保険に加入すると、年間保険料は6億円を超えるそうです。
しかし、その運送会社が事故を起こして、実際に対人対物賠償で必要だったお金は2億円もなかったそうです。
ですから、多くの運送会社は自動車保険に入りません。わざわざ高い保険に加入しなくても、お金を積み立てていれば事故が起きてもはるかに安くつくからです。
『お金持ち列車』の乗り方 p118
私も必要な保険と不要な保険はしっかりと分ける必要があると考えています。
仮に死亡時1000万円受け取れる生命保険があったとしても、資産がそれ以上ある人なら加入する必要はありませんよね。
その保険分を投資に回した方が良い結果を生むはずです。
特に他国に比較して、日本人は多くの保険に加入していると言われています。
それがしっかり自分で自分のリスクを考え、吟味した結果としてなら良いのですが、大半の人は保険の営業に勧められたままに加入しているのではないでしょうか?
こちらの記事でも書きましたが、社会保障が整備された日本では不要な保険が多くあるのも事実です。
自分の保険を一度見直してみると、投資に回せるお金が出てくること間違いなしです。
安い布団は捨てろ!
私たちは人生の3分の1を布団の中で過ごしています。
それなのに、多くの人は睡眠環境をないがしろにしています。
『お金持ち列車』の乗り方 p166
2021年の調査では、日本の睡眠時間は平均7時間22分で先進国33か国中で最も短かったといいます。
また、過去の日本と比較しても1960年は8時間13分だったので、60年間で1時間も短くなっています。
睡眠不足は糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病やうつ、認知症など、様々な病気のリスクになると考えられています。
睡眠をないがしろにして良いことはないのです。
著者は5000円の布団と5万円の布団なら迷わず5万円のものを買うと言っています。
それだけ睡眠や睡眠環境を重要視しているということです。
私も実は睡眠環境には、常々気を付けています。
もう15年くらい前になりますが、良い睡眠を求めて低反発マットレスを購入しました。
決して安いものではなかったですが、毎日ぐっすり眠ることができます。
ちゃんとした睡眠が取れないと、次の日の仕事にも悪影響がありますし健康も害してしまいす。
アップルの創業者スティーブ・ジョブスが残した言葉で、私が印象に残っているのは、「健康を失うと全てを失う。」です。
「どんなにお金があっても、自分の代わりに死んでくれる人は見つけられない。」
『お金持ち列車』の乗り方 p158
給料アップや昇進をするために睡眠時間を削ってがむしゃらに働く人がいます。
若い頃はそれでも大丈夫なのかもしれませんが、40代50代となると、その時のツケがやって来て大病を患う人も多いです。
たっぷりお金を稼いでも、健康でなければ使えないままになってしまいます。
それではもったいないことです。
まずは1億円を目標に!
私が一番感銘を受けた内容がこちら。
人工衛星はある速度に達すると、地球の重力と釣り合い落ちて来なくなります。
そして宇宙空間には抵抗がないので、追加のエネルギーなしで地球の周囲を飛び続けることができます。
これと同じように資産が1億円を超えると稼ぐ力(=速度)と使う力(=重力)のスピードが釣り合います。つまり、何もしなくても人工衛星が時速2万8000kmで飛べるように、どんどん資産が増えていくのです。
『お金持ち列車』の乗り方 p154
株式のリスクプレミアム(≒利回り)は年率4~6%程度と言われています。
1億円を運用したとすると、400~600万円です。
これは毎年400万円を取り崩したとしても、資産1億円は減らないということです。
仮にオルカン(ACWI)の過去30年の年率8.7%で考えれば、毎年870万円となります。
もう、年収を超えますねw
このように「お金がお金を生み出す」金額の最低単位、それが「1億円」です。
まさに、1億円はお金持ちの証明書であり、地球の重力を振り切るのに十分な初速を与えてくれる金額だといえるでしょう。
『お金持ち列車』の乗り方 p155
私も含めて多くの人が資産運用の目標とする1億円。
最初にお金持ち列車の切符は1億円だという話がありましたが、私も達成できるように頑張ります。
1億円のその後は?
数年前に「老後2000万円問題」が提起されました。
最近はまったく聞かなくなりましたが、問題そのものが無くなった訳ではありません。
この2000万円は夫婦2人が30年間生活するのに必要な(不足する)お金ということです。
資産額1億円を達成すると、その5倍の金額を持っているのですから老後の問題なんて無きに等しいです。
だとすると1億円を達成し資産が減らなくなったとしたら、何をモチベーションに資産運用を継続しましょうか?
「寄付」を新たな目標にすると、社会をよくするためのお金はいくらでも必要ですから、お金を稼ぐモチベーションを維持することができます。
『お金持ち列車』の乗り方 p123
著者によると、お金持ちは寄付を習慣化しており反射的に行うと言っています。
それは寄付をすることで自分が満たされていることを実感するため。
私のような貧乏性ではまだまだそんな感覚には到達できませんが、1億円という目標を達成すると何か見えてくるかもしれません。
特に我が家は夫婦2人で子供がいません。
後に残す相手がいませんので、運用した資産を最終的にどうすべきか?というのは問題になると思います。
趣味と実益を兼ねてやっている資産運用ですから、途中でモチベーションが無くなってしまってはつまらない。
世のため人のためにお金を使ってもらえることを新たなモチベーションするのって良い気がします。
ま、そもそも1億円が達成できるかはわかりませんがねw
最後に
ざっと気になる部分だけ抜き出して紹介してみました。
お金持ちならではのものの見方や考え方、生き方は正直理解できない部分も多かったです。
しかし、資産運用にとっても自分の視野を広げることは重要です。
自分の姿を客観的に捉える良い機会になりますので、興味のある方は読んでみてはいかがでしょうか?
まずは1億円!話はそれからだ!!
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