ごましお(@okowa1215)です。
2024年4月末現在、ドル円相場が1ドル=158円台に突入しました。
2022年以降で急速に進んでいる円安。
外国の株式、特にオルカンに投資している私たちには、切っても切れないのが「為替」です。
オルカンに対するドル円相場の影響と、取るべき戦略について考えてみます。
オルカン上昇の半分は為替の影響!?
直近1年間のオルカンは約39%も上昇しています。
過去30年間の1年当たりの平均が9.5%だったことを考えると、40%近い上昇の異常さが目立ちます。
オルカン=ACWI×ドル円
ちょっと複雑な話ですが、オルカンは「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」という指数(インデックス)の円建てに連動しています。
ここで「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」のドル建てのチャートを確認してみます。
⇧「iShares MSCI ACWI ETF」チャート
ドル建てのオルカンであるこのETFは、過去1年間で約18%の上昇です。
そして為替相場(ドル円)の過去1年間のチャートです。
⇧ドル円は過去1年間で約18%の円安・ドル高になっています。
オルカンの上昇は、株と為替の合算の結果
オルカンの過去1年間の上昇分(約39%)を分解してみると、
- 株式部分の上昇が約18%
- ドル高の影響が約18%
- その他の部分2~3%
かなり大雑把な計算ではありますが、上昇の半分は為替(=円安)で説明ができてしまいます。
よって海外株が中心であるオルカンを保有している私たちの利益は、
- 株価が上昇して円安になれば、利益爆上げ!!
- 株価が下落して円高になると、利益爆下げ👇👇
となることは間違いないわけで、ここはしっかり把握しておきましょう。
なぜ円安が進行している?
過去10年程度のドル円の相場を見返してみると、100~125円の範囲に収まって振れ幅も少ない、非常に安定した相場だったことがわかります。
それが2022年以降、急激に円安・ドル高になっています。
円安になった理由?
最近ニュースで良く聞く、円安進行の理由として指摘されるのが「日米の金利差」という言葉。
簡単に言えば、
- 日本=金利安
- アメリカ=金利高
なので、日本円でお金・資産を持っているよりもドルで持っていた方が利益が大きくなります。
日本の銀行にお金を預けても0.02%程度、それがアメリカの銀行に預けると4~5%も貰えます。
なので多くの人が「円を売ってドルを買う」と言う行動をとるために「円安」が進行するというカラクリです。
そんなに簡単ではない為替
日米の金利差が大きいから円安が進行する。
「なら、金利差を小さくすれば円高になるじゃん!」って思いますよね?
でも、そんなに簡単ではないのが「為替」です。
先ほどのニュース記事の中でも触れられていますが、円安の要因としては、
- 日米の金利差
- アメリカの雇用やウクライナ情勢
- インフレの継続
- アメリカのドル高容認政策
- 日本の円安容認政策
- 日本の国際競争力の低下
- 国力の差
これら複数の要因が挙げられていて、それらが複雑に絡み合っているのです。
投資するのにアメリカは有利
こう考えてみると、為替の影響を受けないで投資できる環境がいかに素晴らしいものかわかります。
アメリカで暮らしている人にとってみると、ドルで生活しドルで投資できます。
日本で暮らす私たちは、S&P500に投資するためには必ず「為替」の影響を受けてしまいます。
それが彼らからすると「為替」という大きな問題なしに投資できるのです。
このメリットはかなり大きいですね。
日経平均がS&P500ばりに人気と実力があれば、こんなに良いことはないんですがw
為替に対する戦略とは?
さて、こんな複雑な「為替」です。
そして株価に対する影響もかなり大きいです。
最初に見たオルカンの上昇分の「半分」が円安(為替)の影響なのですから、無視できるものではありません。
もし、これがかつてのレンジ相場の下限の100円まで円高になったとしたら。
株価が変わらなくても、それだけで30~35%のマイナスになってしまいます。
オルカンが現在24000円程度だとすると、15600円まで下落!!
これはかなり痛いですねw
基本的に為替は「誤差」と思うべし!
ドル円が今後「円高」になると、オルカンの価格は大きく値下がりしてしまいます。
だからと言って今は「円安」だから積立投資は一旦止めて、また「円高」になったら開始しよう!
なんていう戦略は取るべきではありません。
「円安」「円高」なんていうのは、あくまで相対的なことだからです。
現在は158円程度ですが、今後もっと円安が進行して200円や300円になるかもしれません。
反対に80円や70円といった円高になることだって考えられます。
あまり考えたくはありませんが、地震大国ニッポンです。
過去の大震災時には急激な「円高」になっています。
為替が円安・円高になる要因は複雑であり、素人が見通せるものではありません。
なので為替の影響が大きいことは認めつつも、「誤差の範囲」と考えるのが正解だと思います。
為替が読めるなら為替で勝負!?でもそれ「詐欺」ですよ!
もし為替の将来を見通せる人がいるのであれば、株なんて買わずに「為替」そのもので勝負したらよいでしょう。
特に「FX」は、レバレッジが効いて元本の何倍もの資金を運用することができますので、当たれば大儲けできます。
でも特に初心者の人は気を付けてくださいね。
素人だけでなく「プロでも為替の見通しはできない」ってのが本当のところです。
「私は為替がわかる!!」って言っている人は、多分詐欺師だけですw
そんな甘い言葉に引っかからないようにご注意を!
オルカンはドルだけではない!
オルカンの状況を確認しましょう。
オルカンの「投資信託説明書(交付目論見書)」の中には、各通貨の比率が記載されています。
2023年10月末時点と最新のものではありませんが、通貨比率が確認できます。
主要通貨とは?
世界で容易に入手でき、頻繁に売買され、貿易決済などに使われている通貨のことを「主要通貨」と言います。
一般的には以下の通貨を主要通貨と言います。
- アメリカ・ドル
- ユーロ
- 日本円
- イギリス・ポンド
オルカンは全世界の株式に投資しているので、これら主要通貨を全て含んでいます。
アメリカ株の比率が高いので、最も多い投資先通貨はアメリカドルになっているのです。
株式と同じように、通貨の分散もされているということは知っておきましょう。
やはり円安!?
その主要通貨と円の直近1年の状況を確認してみます。
- アメリカドル/円:約18%の円安
- ユーロ/円:約15%の円安
- イギリスポンド/円:約18%の円安
見事に全通貨に対して大幅な円安ですw
まさに「円の独歩安」状態。
これは「主要国がインフレ退治のために金利を大幅に上げている」ことが原因でしょうかね?
だからと言って、、、
インフレ退治が終わって各国が金利を下げる。
日銀が再度金利を上げて、金利差が解消する。
これらの政策によって今後「円安」が解消されて「円高」になるかもしれません。
そうするとオルカンの価格は暴落!!
なんてことに、、、
しかし、金利を下げること(利下げ)は一般的には株価にとってポジティブです。
なので、金利低下からの株高でオルカンの価格も上昇かもしれません。
わかりませんがw
インデックス投資の基本に戻る
迷った時は「投資の基本」に立ち戻ることが常に有効です。
なぜ私たちはオルカンのようなインデックス・ファンドに投資しているのか??
- 現在の株価が高いのか安いのかはわからない。
- どの国のどんな銘柄が今後上昇するのかはわからない。
- インデックス・ファンドを上回るアクティブ・ファンドは存在するが、どれが上回るのかは事前にはわからない。
このような基本的な認識を持っているから、インデックス・ファンドを購入するのです。
そして「適切に分散された低コストファンドであるオルカンならば、長期に渡って世界経済の発展を反映して右肩上がりに株価は上昇するはずだ!」
と思うから、インデックス・ファンドを長期に保有しつづけるのです。
オルカンの価格は株価×為替
オルカンの現在の価格は、常に株価と為替が合算されたものです。
すなわち、現在が高いのか安いのかわからないオルカンの価格には、すでに為替の影響が反映済なのです。
なので、そこから「為替」だけを取り出してあれこれ考えてみたり、心配してみたりする必要はありません。
すでに考慮している訳ですからね。
日々のニュースで「円安が進行!!」なんて聞いたとしても、「誤差の範囲だね!」と聞き流すような心の持ちようが重要です。
円安になれば「価格」が上がってラッキー!
円高になれば「価格」が下がって安く買えるからラッキー!
こんな認識を持てるようになれば、立派なインデックス投資家の出来上がりですw
最後に
最近の急な円安が、歴史的にかなり進行しているのは間違いないかもしれません。
円安が進行すれば輸入価格に影響して、日々の生活が苦しくなるかもしれません。
しかし、そうだとしても私たちの資産運用の戦略には、何ら変更する必要はありません。
「新NISAでオルカンを買って、可能な限り長期に保有する」
この戦略が崩れることはありませんので、安心して資産運用を継続しましょう!
1ドル200円とか行くんですかね?そうしたらオルカンは25%以上値上がりします!すごい!!
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