【実録】インデックス投資では、株価暴落を待たずにフルインベストメント!タイミング投資の愚策と稲妻が輝く瞬間

資産運用の考え方
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コロナショック時に、暴落した安値を買いに行く「バーゲンハント」について記事にしました。

コロナショックが終結して、その時のことを見返してみるとあることに気が付きました。

バーゲンハントになっていない?!

↑S&P500指数の2016年1月~2020年7月のチャートです。

黒枠を付けた期間が、私がバーゲンハントしていた期間です。

その安値を過去に向かって線を引いてみました。2016年8月にぶつかりました。

今の安値は過去の高値!

S&P500指数の高値と安値をまとめてみます。

2016年2017年2018年2019年2020年
高値22772694294032473760
安値18102245234624432191

コロナショックの安値と、4年前の2016年の高値がほぼ同じです。

確かに2020年の安値は、2017~2019年の安値よりも下にいます。

なのでこの期間に投資を始めた人にとっては、2020年は株を安く仕込めるチャンスでした。

しかし、私はそれよりも遥か前から投資をしていました。

これって、いったい!?

悪戦苦闘する必要なかった?!

コロナ禍の不安に怯え、家族や友人の健康を心配しながら、株価の暴落の恐怖と闘い投資する。

しかもこの下落がいつまで続くのか?5年も10年も続いて余力が尽きてしまわないか?

そんなバーゲンハントの悪戦苦闘は、株価暴落を経験した人なら理解していただけると思います。

みんなが買わない、買えない「悲観の極み」に敢えて買っていくのですから、絶対に大丈夫だと頭ではわかっていても、恐怖に震えながら購入ボタンを押したのです。

それでも一番安い大底で購入できた訳ではありません。

でも、ちょっと落ち着いて考えてみたら、そんな必要なかったんです。

だって不安や恐怖に悩まされることなく、心安らかだった2016年の高値と同じなんですから。

その時に買えばよかっただけなんです。

バーゲンハンター辞めました。

私たちは「長期に渡って右肩上がりに株価が上昇すると信じている。」から投資を行います。

歴史的にも15~20年以上株を持てば、大抵損をすることはありませんでした。

「今日より明日はよくなる」と思う楽天家=投資家です。

余力を残してタイミングを計り、安値を狙っていくバーゲンハントは実際には上手くいかないことが多いです。

一番安い大底で購入することなんて出来ません。

もし出来たとしても過去の高値とあまり変わらない価格だったりします。

それに気が付いた私は、余力を残すバーゲンハンターを辞めました。

タイミング投資の愚策

余力を残して暴落を待つバーゲンハンターのように、良いタイミングを捉えて投資しようとすることを「タイミング投資」と言ったりします。

このタイミング投資については、さまざまな研究から否定的に捉えられています。

チャールズ・シュワブの研究

アメリカの証券会社である「チャールズ・シュワブ」が2023年9月に研究結果を発表しています。

なかなか面白い研究ですので紹介します。

研究には5人の投資家が登場します。

  • ①ピーター:完璧な投資家。毎年2000ドルを最も安い値段で投資した。
  • ②アシュレイ:シンプルな投資家。毎年2000ドルを年初に投資した。
  • ③マシュー:定期投資家。毎年2000ドルを12分割し毎月初めに投資した。
  • ④ロージー:不運の投資家。毎年2000ドルを最も高い値段で投資した。
  • ⑤ラリー:債券投資家。株価の下落を待って株には投資しなかった

これら5人が、2003年から2023年まで10年間、S&P500に投資した結果です。

左から①→⑤の順番になっています。

この結果からわかる、重要な点は次の2点だと思います。

1:①~④と⑤の差が明らか。

 投資するのか?しないのか?が重要。最大で4倍の差が開いている。

2:①~④の間の差があまりない。

 最高のタイミングで投資しても、最悪のタイミングで投資しても、それほど大きな差はなかった。

 最高のタイミングを計るよりも、市場にいること(株式を保有すること)が重要。

研究結果

チャールズ・シュワブはこの結果について、次のようにまとめています。

The best course of action for most of us is to create an appropriate plan and take action as soon as possible.

ほとんどの人にとって最善の行動は、適切な計画を立て、できるだけ早く行動を起こすことである。

チャールズ・シュワブ「Does Market Timing Work?」

この研究では、2023年までの20年間だけではなく、1926年からの全ての20年間、30年間、40年間、50年間を取り出して調べています。

そのほとんどの期間で、この①~⑤の順位が入れ替わることはなかったそうです。

すなわちタイミングを計って株式の購入を躊躇うよりも、出来るだけ早く行動を起こして市場に居続けることです。

Even badly timed stock market investments were much better than no stock market investments at all. Our study suggests that investors who procrastinate are likely to miss out on the stock market’s potential growth.

タイミングが悪い株式市場投資でも、まったく株式市場投資をしないよりははるかにましであった。我々の研究は、先延ばしする投資家は株式市場の潜在的成長を逃す可能性が高いことを示唆している。

チャールズ・シュワブ「Does Market Timing Work?」

稲妻が輝く瞬間

インデックス投資家にとってはバイブルともいえる、株式投資の古典的名著に「敗者のゲーム」があります。

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市場に居続けること

投資家は、「稲妻が輝く瞬間」に市場に居合わさなければならないということだ。相場のタイミングに賭ける投資は間違っており、決して考えてはいけない。

チャールズ・エリス「敗者のゲーム」

過去の株式リターンの大部分は、上昇率が高いベスト期間(極めて少ない期間)に達成されているそうです。

その上昇期間は分析した期間900ヶ月中の60ヶ月(僅か7%)の期間しかなかったとのこと。

そのまさにその「稲妻が輝く瞬間」に市場にいなかったなら、成長の果実のほとんどを得ることができなかったといいます。

↑ベスト30日間を逃すと、リターンが半分になってしまっています。

大底狙いは不可能

株価が暴落から大底をつけて反転、上昇するその地点を狙って株を購入することは、まず不可能です。

もし私たちに、これがどの月かを見分けることができれば、その利益ははかり知れない。しかし、それはまったく不可能なのだ。

チャールズ・エリス「敗者のゲーム」

後から見ると、その瞬間に買いにいけると思うかもしれませんが、実際に暴落相場に遭遇するといつが大底なのかはわかりません。

私も不可能だと思っていたから下落中に分割して買っていました。

でもそんなことをしなくても、ず~と株を保有し続けていれば(=市場の居続けていれば)、「稲妻が輝く瞬間」も、その後の上昇相場の全てを余すことなく味わうことができたでしょう。

これが、私がバーゲンハンターを辞めてフルインベストメントに目覚めた理由です。

フルインベストメンター

フルインベストメントとは、

投資資金のうち、キャッシュ(現金など安全資産)はほとんど持たずに、投資対象の有価証券の組入比率を高い水準に維持すること。

野村証券 証券用語解説集

とあります。

適切な投資資金以外(生活防衛資金等)を準備した上で、その他の余剰資金を持たずに投資すること。

これが今の私の投資方針です。

余剰資金が生まれたら、市場のタイミングを計らずに、速やかにオルカンを購入しています。

個人年金保険を解約した時に、200万円以上の余剰資金が生まれました。

これを2024年からの新NISAの資金にするために、2024年になるまで余剰資金として取っておいたら、フルインベストメントの原則に反します。

それは単なるタイミング投資です。

ですので資金が生まれた次の日には、全額オルカンを購入する注文を出しておきました。

これこそが「稲妻が輝く瞬間」を掴む唯一の方法だと確信しているからです。

最後に

余剰資金を持たないという方針のため、いつ買うかという悩みからは解放されました。

しかしその反面、下落相場ではその全てを受け止める必要があります。

バーゲンハントをしている時は、世界的な事件でも起きて株価が暴落してくれないかな?なんて不穏なことを考えていました。

最近はまったくそんな考えはなくて、世界は平和に発展してもらいたいと思うようになりましたw

とはいっても、今後何度も暴落は訪れるでしょうから、それに負けないように資産運用を継続したいと思います。

ごましお
ごましお

成績が一番良かったのは、株を買って忘れていた人だとか。一喜一憂しない。

ちょっと私には無理かな、、、

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