2018年1月に開始された「つみたてNISA」
年間40万円の投資枠が付与されて、20年間非課税で運用できました。
合計800万円を投資できるはずでしたが、わずか6年間で新規投資が不可能に。
2024年1月からの新NISAで「つみたて投資枠」として装いも新たに設定されました。
旧つみたてNISAで積立た資産は、そのまま最長20年間は非課税で運用可能です。
現在+100%達成
2024年1月現在、40万円×6年間=240万円の投資額に対して、含み益240万円を達成しています。
運用益+100%、すなわち投資額が2倍になっている状態です。
過去の運用実績を確認すると、コロナショックで暴落した2020年3月から4月に含み損(マイナス)になっている以外、常にプラスをキープできています。
私の投資方法は、黄色のラインが示しているように毎年初に40万円の一括投資をしていました。
この6年間においては、結果としてその投資方法が有利に働いたと言えそうです。
投資対象商品は?
私がつみたてNISAで購入していた商品は「楽天・全米株式インデックス・ファンド」いわゆる「楽天VTI」です。
この商品ひとつでアメリカの大・中・小型株、約3700銘柄に投資できます。
現在の純資産総額は、1兆2800億円以上!
日本国内の投資信託純資産ランキングで、堂々の5位にランクされています。
とっても売れている商品と言えます。
ちょっと残念
そんなに売れている商品ですが、残念な点があります。
こちらは、2023年12月の月報になります。
「設定来」の欄を見ると、ファンドは+149.1%、インデックスは+157%。
2017年9月の設定以来、連動すべきインデックスに対して約8ポイントも下方乖離しています。
こちらは、本家VTIの騰落率です。
2001年5月の設定来、ベンチマークに対して0.01ポイント下方乖離しているだけ。
圧倒的に運用の差が出ています。
ちょっとひどくないですか?
私はなぜこの商品を選んだのでしょう?
「楽天VTI」という商品そのものが欲しかったのではありません。
この「楽天VTI」を買うことで、全米株に投資したかったのです。
全米株とはまさに「楽天VTI」が連動すると言っているベンチマーク(CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース))と同意語です。
そのベンチマークに対して、楽天VTIは年間1%以上も下方乖離しているわけです。
すなわち、毎年1%損していたことになります。
slim全米株(S&P500)はどう?
こちらは「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の最新の月報です。
2018年7月に設定されて以来の騰落率を見てみると、ベンチマークに対して+2.2ポイントの上方乖離です。
インデックス・ファンドの場合、上方乖離も下方乖離もどちらも少ない方が良いファンド(商品)だと言えます。
5年半で2.2ポイントの乖離ですから、年間で約0.4ポイント程度の乖離です。
年間1ポイント乖離している「楽天VTI」と比較して、圧倒的にうまく運用していることになります。
ファンドオブETFはコスト高?!
楽天VTIの仕組みとは、投資信託のシステムを使って海外のETFを購入するということです。
本来海外ETFを買うには、
- 外国株の口座開設
- 円をドルに換える
- 指値、成り行きの注文を出す
- 売買手数料を払って購入する
などといった、複雑な手続きを踏まなければなりません。
しかし、投資信託のシステムがそれらの手続きを全て代行してくれます。
しかもその投資信託は100円から購入することが出来ます。
これはとっても素晴らしいことなんです、実は。
しかし、複雑な手続きを全て代行していることから、やっぱりコストがどうしても掛かってしまうようです。
投資対象とすべき?
正直に言ってベンチマークとの乖離が、毎年1%もあるようだと投資対象とするのはきびしいです。
特に初心者は、、、
わざわざこの「楽天VTI」を選ばなくても、ベンチマークとの乖離がもっと少ない=運用がうまい「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を買えばよいのだと思います。
もちろん「楽天VTI」と「slim S&P500」は投資対象が異なります。
でも特に初心者にとっては、どちらもアメリカに投資していることとして同じと考えて問題ないです。
それよりもインデックス投資をする以上はコストを常に意識すべきと思います。
敢えて言いますが、、、
このブログは個人が、個人の考えを勝手に述べているものですから、敢えて言います。
楽天の投資信託は運用が下手なんだと思います。
良いインデックス・ファンドとは、ベンチマークとの乖離が少ないファンドのことです。
毎年1%もの乖離を生むような運用の仕方は、そもそもインデック・ファンドとしてはダメダメです。
2024年の新NISAに合わせて、楽天投信投資顧問は2つの新しい投資信託を設定しました。
「楽天・オールカントリー」と「楽天・S&P500」です。
どちらも信託報酬は非常に安く、しかも楽天証券で保有すれば毎月楽天ポイントも付与されます。
そのことから、今とっても人気を得ているようです。
しかし私には、それらの外見的な魅力に惑わされているようにしか見えません。
インデック・ファンドの本来の評価方法からすれば、遥かに「eMAXIS Slimシリーズ 」の方がまともな商品です。
まとめと最後に
つみたてNISAの利益が100%を超えたことから、この6年間を振り返るとともに、商品についても考えてみました。
私は「新NISAではオルカンを購入すべし」と常々考えて発信もしています。
それは、全世界株に投資することが良いということと共に、「オルカン」という商品そのものがまともなものだと考えているからです。
インデック投資家は、わずか0.0何%のコスト差も重要だと思う特異な人の集まりです。
だとしたら、ベンチマークとの乖離が毎年1%もあるような商品は淘汰されて然るべきと考えてしまいますが、どうなんでしょうか?
つみたてNISAで保有している商品を売却してしまうと、その非課税枠は復活しません。
なので「楽天VTI」はしばらくこのまま保有するつもりでいます。
しかし、お金が必要になった時に売却する優先順位1番は、この「楽天VTI」になるに違いありません。
やっぱりオルカンしか勝たん!!
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