インデックスファンドの信託報酬は安いほど良いのか?信託報酬引き下げ競争の末路とは?

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ごましお(@okowa1215)です。

くらしの経済メディアである「 MONEY PLUS」に、信託報酬引き下げ競争に関する記事がありました。

私たち投資家にとっては、一般的にインデックスファンドの信託報酬は安いほど良いと言われています。

しかし、あまりに引き下げ競争が激化すると私たち投資家も損をする可能性があるそうです。

何が問題なんでしょうか?

3兆円を運用しても6億円の売り上げ!?

私が新NISAでの購入をおすすめしている「オルカン」の信託報酬率は年0.05775%(税込み)です。

この極めて安いコストがおすすめポイントなのですが、オルカンを運用している「三菱UFJAM」の取り分はその3分の1だけ。

信託報酬は次の3つの会社によって3分割されて、毎日純資産から差し引かれています。

  • 委託会社:投資信託を設定し、投資家から集めた資金を運用する会社
  • 販売会社:証券会社や金融機関等、投資信託を販売する会社
  • 受託会社:投資信託の資産を保管・管理する信託会社

オルカンの現在の純資産総額は約3兆5千億円

その0.0175%となると、約6億円ちょっとです。

純資産総額が低いと悲惨!?

オルカンと同じベンチマークに連動する「楽天オール・カントリー」があります。

私が徹底比較シリーズで取り上げているこのインデックスファンドは、純資産総額が1400億円程度。

運用している委託会社である「楽天投信投資顧問株式会社」が受け取れる信託報酬は0.0187%です!

この場合、委託会社が受け取る信託報酬は2600万円程度になってしまいます。

ん~厳しい。

競争の行きつく先は、、、?

記事によると、このような厳しい信託報酬引き下げ競争の行きつく先は、

恐らく、このインデックスファンドブームの行き着くところは、ウィナー・テイク・オールになるはずです。つまり勝者総取りです。正直、同じ指数に連動するインデックスファンドが、多数の投資信託会社で運用される必要はありませんから、資金の集まらないファンドは自然淘汰され、特定社のインデックスファンドに集約されていくと考えられます。

信託報酬引き下げ競争はメリットだけではない? その行き着く先とは

とされています。

この記事の文章にあるように、同じ指数に連動するファンドが並列して存在する必要はありません。

その意味では強い1社から数社に資金が集中する未来が来るのは間違いなさそうです。

かといって一社が独占してしまうのも問題ありですね。

できれば同じ規模のファンドが切磋琢磨するような状態が望ましいかとは思います。

しかし、オルカンが独り勝ち状態の全世界株だとなかなか厳しいかもしれません。

繰上げ償還が相次ぐのか??

競争に負けて自然淘汰されたインデックスファンドはどうなるのでしょうか?

筆者によると繰上償還されると言います。

繰上償還(くりあげしょうかん)とは、資金難から運用してく資金が足りないため、無期限で運用する予定が途中で運用を終了してしまうことです。

そうなった時、結局、損をするのは受益者です。繰上償還されれば、これまで投資してきた資金が全額現金化されてしまいますから、コツコツと積立投資してきた受益者からすれば、それまでの努力が無駄になってしまいます。

信託報酬引き下げ競争はメリットだけではない? その行き着く先とは

将来のためにコツコツ運用していたのに、志半ばで売却されて現金化されてしまうと、計画が狂ってしまう投資家もいるかもしれませんね。

これが暴落時などでは、その後の上昇を目指して運用していたはずが、相場の大底で売却されてしまう可能性もあります。

NISA口座の問題点とは?

新NISAで運用していたものが売却されてしまった場合、その投資枠は次の年まで使うことができません。

この点について筆者は次のように述べています。

特に、NISAのつみたて投資枠で投資している人たちは、運用の継続性という点をシビアに考える必要があります。ようやくの想いで1000万円くらいまで積み立ててきたのに、いきなり繰上償還されてしまったら、また毎年120万円ずつ積み立てていかなければなりません。今まで資産を積み立てるのに要した時間が、無駄になってしまうだけでなく、1800万円を全額、非課税運用できる時間も短くなってしまいます

信託報酬引き下げ競争はメリットだけではない? その行き着く先とは

新NISAの上限額である、1800万円の非課税枠を使える時間が短くなるのは正にその通りです。

しかし、その前の文章はいけません!

これは明確に間違った認識です。

つみたて投資枠で投資できる商品は、成長投資枠でも投資できます。

ですので、120万円ずつ積み立てる必要はまったくありません。

年間の限度枠である360万円を全部使えば、1000万円程度の資金なら3年で埋められます。

もし私が1000万円を新NISAで運用していて、そのファンドが不幸にも繰上償還されたとしたら、

  • 特定口座で1000万円分の別のインデックスファンドを購入
  • 次の年の年初に360万円分売却
  • 回復した投資枠360万円分のインデックスファンドを購入
  • 以下、同様に継続

☝このようにすることで、運用の継続性を担保します。

筆者が気にしている運用の継続性は、別段途切れるわけではありません。

この部分は明確に間違いですのでここで指摘させて頂きます。

売れているファンドが正義!

筆者が想定するように勝者総取り、自然淘汰からの繰上償還が相次ぐ未来が訪れるのかは不明です。

しかし、万が一そんな未来が来ると想定して対処をすることは重要だと思います。

そのためには純資産総額の多いファンド、すなわち売れているファンドを選択することが必要です。

全世界株なら「オルカン」を!

米国株なら「スリムS&P500」を選んでおけば問題ありません。

「新NISAでオルカン」を常におすすめしているのは、この点でも問題がないからです。

最後に

インデックスファンドの信託報酬は、私がインデックス投資を始めた15年以上前に比べれば格段に安くなりました。

オルカンやスリムS&P500といった日本のインデックスファンドの信託報酬は、世界と比べても遜色ありません。

私としてはこの低コストの現状には満足していますので、今後はコストも重要ですが運用の質にもしっかりとこだわっていって欲しいです。

インデックスファンドの運用の質とは、ズバリ指数にいかに連動できるのか

ファンドの質が低下したら、すなわち指数との乖離が大きくなってしまったら、いかにコストが安くてもインデックスファンドとしては失格です。

投資家であり消費者でもある私たちが、しっかりと目を光らせて行く必要があると思います。

ごましお
ごましお

オルカンは低コストで、かつ運用の質も高いと見ています。このまま意識高いままでいて欲しいものです。

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