ごましお(@okowa1215)です。
新NISAをこれから始めたいと思っている初心者の人に、とっても参考になる記事がありましたので紹介します。
ダイヤモンド・オンラインに掲載された記事です。
絶対に買ってはいけない「ヤバいファンド」って?
記事では、新NISAで絶対買ってはいけないファンド(投資信託等)の選び方を2つ紹介しています。
その2つの選び方とは、
- 期限付きで運用されるファンド
- 高頻度で分配金が出るファンド
です。
期限付きで運用されるファンド??
「ファンドの運用期限」なんて言葉を聞いたことある人って少ないんではないですかね?
実は、運用期間を予め決めて運用している(売っている)ファンドがあるのです。
試しにSBI証券の「投資信託パワーサーチ」で検索してみました。
償還(運用が終わること)までの期間を「1年未満」として検索してみると、
全部で131件の投資信託がヒットしました。
その中で販売金額ランキング堂々の93位となっている「T&D-S&P500・4倍ブル型ファンド」を確認してみると、
設定日(運用開始日)から償還日(運用終了日)まで3年間しかありませんw
中身が理解できません!?
このファンド、もちろん初めて知りましたが中身を見て「????」ってなりました。
運用方針欄には、
日々の基準価額の値動きが米国の株価指数であるS&P500指数(米ドルベース)の日々の騰落率の概ね4倍程度となる投資成果を目指して運用を行います。
T&D-S&P500・4倍ブル型ファンド 投資信託説明書(交付目論見書)
と書いてあり、4倍はどうかと思いますが「株式」に投資するように見えます。
しかし「投資対象資産」や「ファンドの仕組み」を見てみると、
となっており「債券(社債)」に投資している?のですかね??
何度も「投資信託説明書(交付目論見書)」を読んでみたのですが、私の悪い頭では全く理解できませんでした。
誰か教えて下さいw
儲かってる?
細かい内容は不明ながら、S&P500の毎日の値動きの4倍を目指すことは何とか理解できましたw
では実際利益は出ているんでしょうか?
このファンドの設定日からの「ドル建てS&P500」のチャートです。
2022年2月17日:終値4380ドル
2024年4月12日:終値5123ドル
2022年10月までは下降トレンドでしたが、そこから反転し現在は700ドル程度の利益ですね。
一方「T&D-S&P500・4倍ブル型ファンド」のチャートを確認すると、
設定日:10000円
2024年4月12日:9501円
支払い分配金:0円
で500円程度のマイナスとなっていますw
- 信託報酬は「1.243%」
- 売買手数料はネットでは0円ですが、対面だと「3.3%」
- 理解不能な複雑な投資内容
典型的な「ぼったくりファンド」と言ってよいでしょう。
期限付きで運用する意味とは?
例にあげた投資信託は3年間という期限を決めて運用されるものでした。
ではなぜ期限を付けて運用するのでしょうか?
何かメリットはあるのでしょうか?
実は期限付きの運用には「買い手」である私たちには何のメリットもありません。
反面「売り手」である証券会社にはメリットばかりなのです。
特に対面販売時のセールストークにかなり使えますw
- これから3年は米国株、特にS&P500がオススメですよ。
- しかも4倍も値上がりするんです!(値下がりも4倍だけどねw)
- 特殊な投資信託なんで今しか買えないんです。
- お客さんにだけ特別に教えてあげますよ。
- 株式に直接投資せず債券を買うので安心です(?)
などなど。
しかも、3年経過してしまえば強制的に償還(売られる)するので、また次の商品を買わせることができます。
そうやって途切れることなく情弱の人からお金を合理的にぼったくる商品が、期限付き投資信託なんです。
運用期間「無期限」のものを買おう!
期限付きの投資信託は「ぼったくり商品」です。
買い手である私たちには何のメリットもありません。
必ず「無期限」で運用される商品を選びましょう。
運用期間(償還日)を確認するだけで「ぼったくり商品」を避けられるのですから、特に対面で購入する場合は必ず確認しましょう。
もちろんネット証券でも売られていますので注意が必要です。
高頻度で分配金が出るファンド?
2つ目のポイントは「高頻度」で分配金が出るファンドです。
高頻度で分配金が出るファンドをなぜ買ってはいけないのか。
記事中では次のように指摘しています。
長期投資の最大のメリットは「複利効果」なので、途中で分配金をたくさん受け取ってしまうと、その効果が薄れてしまうからです。
そのため、「毎月分配」を謳うファンドもありますが、長期的に資産形成をしたい人にとっては論外です。こうしたファンドは運用益が出ていなくても、元本を取り崩して分配金を支払いますから、複利効果は期待できません。
【プロが警告】新NISAで絶対手を出してはいけない「ヤバいファンド」の見抜き方・ベスト2
長期投資最大のメリットである「複利効果」が無くなってしまう。
参考になるファンドを探してみました。
複利効果がないファンドの例
例えばこんな投資信託がありました。
2005年2月に設定された、世界の高配当株に投資するファンドです。
- 対面買付手数料:3.3%(なんと1億円以上なら1.1%に割引!!)
- インターネット買付手数料:無料w
- 年間の信託報酬:1.81%
- 安心の毎月分配型
- 純資産総額は驚異の8889億円!!
設定来のパフォーマンスが👇の表です。
2005年2月に10000円で設定されたこのファンドは、約20年後に2518円になっています。
その間に毎月分配金が支払われ、その合計額は13340円です。
もしその分配金を使わずに再投資したなら、現在の価額は28246円。
20年で約2.8倍になりました!と書かれています※。
(※再投資するためには、まず分配金に税金がかかり、再投資時に買付手数料がかかります。なのでこの表現はかなり悪質です。現実にはありえない表現ですのでご注意ください。)
このファンドをもし2005年2月に10000円分買ったとしたら、
- 約20年間で投資額の1.3倍の分配金を貰えた。
- 投資元本は4分の1に減った。
- (もし毎月分配金支払われなければ2.8倍に増えた。)
そんなファンドです。
複利効果のあるファンドの例
複利効果があるファンドを探してみました。
ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)は2005年2月に設定された古いファンドです。
同じように20年前からあるファンドはやはりこちら⇩
こちらの記事で登場してもらったベテランファンドです。
2002年3月に設定された先進国株に投資するインデックスファンドです。
- 対面買付手数料:2.2%(1000万円以上なら1.1%に割引!!)
- インターネット買付手数料:無料
- 年間の信託報酬:0.77%
- 現在まで分配実績なし!!
- 純資産総額は約200億円
設定来のパフォーマンスが👇こちらです。
条件を同じにするために、2005年2月に赤いラインを入れています。
2005年2月の基準価額が9422円。
2024年4月12日の基準価額が55554円。
このファンドをもし2005年2月に10000円分買ったとしたら、
- 約20年間で分配金は1円も貰えなかった。
- 投資元本は約5.8倍になった。
となります。
複利効果を比較してみると
これら2つのファンドに、2005年2月に10000円を投資したとすると、
8倍以上の差がついてしまいました。
しかもピクテの分配金には約20%の税金がかかります。
(普通分配金のみ。元本払戻金(特別分配金)は非課税)
13340円のうち利益部分と元本部分の比率が不明ですので、正確な額は計算できません。
しかし税金によって合計利益はもっと少なくなるでしょう。
インベスコの方は、利益部分の48962円に約20%の税金がかかります。
それでも39000円ほどの利益になりますので、結果は圧倒的です。
長期で資産運用なら分配金は無駄
見出しのとおりですが、長期運用を前提とするなら分配金はまったくもって無駄です。
実は、分配金が欲しい人にとっても、毎月分配型は不要です。
(インデックスファンドを買って、必要な時に売却した方が税制面で有利だから。)
新NISAのつみたて投資枠で、毎月分配型の投資信託は購入することができません。
それは金融庁が、これらの商品が国民の資産形成にまったく寄与しないと考えているからです。
でも成長投資枠では買えてしまいます。
あえてそれを買うのか?ちゃんと考えて手を出さないのか??
この結果を見ればどちらが正しい選択なのか、理解できると思います。
やっぱりオルカンが一番!
私は常に「新NISAではオルカン!」と言い続けています。
「つみたて投資枠」も「成長投資枠」も、どちらでもオルカンを購入することを勧めています。
(もちろん私も全力でオルカンを購入しています。)
今回の記事の内容からオルカンの状況を考えてみると、
- オルカンの運用期間は無期限
この点ははっきりと記載されています。
分配については次のように記載されています。
分配方針
オルカン 投資信託説明書(交付目論見書)3P
● 年1回の決算時(4月25日(休業日の場合は翌営業日))に分配金額を決定します。
● 分配金額は委託会社が基準価額水準、市況動向等を勘案して決定します。ただし、分配
対象収益が少額の場合には、分配を行わないことがあります。
分配金額の決定にあたっては、信託財産の成長を優先し、原則として分配を抑制する方針とし
ます。(基準価額水準や市況動向等により変更する場合があります。)
将来の分配金の支払いおよびその金額について保証するものではありません。
はっきりと「分配しません!!」とは書いてはいません。
(「分配しません」という表現は、「税金を払いません」とほぼ同じ意味になってしまうので、大人の事情があるんです。)
でも今までも無分配ですし、きっと今後もずっと分配はしないものと考えて良いと思います。
ですので、長期に渡って資産を形成するための投資先として、ピッタリということです。
特に初心者の人はあれこれ購入商品に迷うくらいなら、「オルカンのみ!!」って決めてしまいましょう。
最後に
今回取り上げた記事は、短いながら初心者が知っておいて損はない内容でした。
実際の商品を見ながら説明してみましたが、皆様の理解が深まれば幸いです。
日本には数多くの投資商品がありますが、私たちが投資するに値するものはごく少数です。
ぼったくりファンドに手を出して、後で泣きを見ることがないように気を付けましょう!
迷ったらオルカンです!これだけは間違いなし!!
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