2024年から始まる新NISAについて、特に初心者向けの記事がたくさんネット上にあります。
最近、「資産運用の3大原則」について書かれたこちらの記事を読みました。
人気FPの方が書いているだけあって、読みやすいし、わかりやすい。
特にこれから資産運用を始めようと考えてる人には、とても参考になる記事です。
ただ1点だけ気になることが。
「長期・積立・分散」って並びがどうしても気になります。
今回は、この資産運用の3大原則について私なりに考えてみました。
(もちろん、記事の内容を批判するものではありません。)
3大原則を守ると損する可能性が小さくなる?
投資は貯蓄と違ってお金が減る可能性もあることは、みなさんご存じかと思います。その可能性をなるべく小さくできるのが、今回ご説明する「長期・積立・分散」の3大原則を守った投資スタイルです。
新NISA開始へ 人気FPが教える「資産運用の3大原則」 Yahoo!ニュース
ここでは「長期・積立・分散」の3大原則を守ることによって、損をする可能性を少なくできるとあります。
ここで、私の「つみたてNISA」の結果を例に出したいと思います。
私は「つみたてNISA」では毎月コツコツの積立投資ではなく、年初に一括投資をしました。
その結果、投資額240万円が6年間で約437万円になりました。
約1.8倍で利益は約197万円です。(2023年10月末現在)
対して毎月初めに33300円づつの積立投資をした場合を計算すると、240万円が約390万円になりました。
約1.6倍で利益は約150万円です。
この6年間においては、積立投資をした結果(一括投資に比較して)約48万円損したことになります。
だから「長期・積立・分散」ではなくて「長期・一括・分散」が3大原則なんだ!
なんてことを言いたいわけではありません。
積立も一括も単なるタイミング
「適切に分散された資産を、出来るだけ長期に渡って保有すること」は資産運用で利益を出すために(=損をしないために)重要なポイントです。
「短期間に一点集中!」という投資法で大損する人は沢山いますからね。
それに対して「積立をすること」は(もちろん一括で買うことも)、投資のタイミングを問題にしているのであって、それは利益とは関係ありません。
積立投資をしたから利益が増えるとか、損が少なくなるということはありません。
積立投資をする意味があるとすると、
- 投資初心者の心理的な安心感
- 毎月のクレジットカード投資によってポイントゲット
の2つが考えられます。
特に初心者は暴落が来ると不安になって株を手放してしまいます。
なのでちょっとづつ投資することで、経験を積み、暴落が来ても耐えられるようにする。
その意味では重要です。
私も初心者に資産運用をすすめる場合には、少しずつ始めよう!と教えます。
ですが明確に意味のある「長期・分散」と、心理的な気休めの「積立」を同列に並べることには違和感があるのです。
気にすべきはコスト
本来、資産運用で損を少なくするために重要なのは「コスト」です。
実はこの記事でも後半部分でちゃんと「コスト」について触れています。
気をつけたいのは投資信託のコスト
個人で株式投資をする場合、状況を判断するための知識や情報収集が欠かせませんが、投資信託であればプロにお任せ。その分、手数料が掛かります。
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投資信託を購入し保有するには「売買手数料」と「信託報酬」が必要です。
「売買手数料」が必要となる投資信託を購入する意味はまったくありません。
「つみたてNISA」や新NISAの「つみたて投資枠」で購入可能な投資信託には、そもそも売買手数料がかかりませんので、特に初心者の方は必ずこの中から選びましょう。
信託報酬は、私が資産運用を始めた15年ほど前では、年率0.5%あたりが安い範囲でした。
現在では0.5%なんていう割高な投資信託を購入する必要はありません。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)で約0.06%
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)で約0.1%です。
5~10倍の手数料差は、いかに運用がうまくいったとしても、無視できない差になります。
3大原則は「長期・分散・低コスト」!?
私がもし資産運用の3大原則を挙げるのならば「長期・分散・低コスト」と言いたいです。
これら3つの要素は、資産運用の成否を分ける重要なポイントに間違いないからです。
「適切に分散された低コストのインデックス・ファンドを、可能な限り長期に保有する。」
もちろん「積立投資」自体を否定するわけではありません。
なので、「初心者は、少しづつでもよいので、速やかに資産運用を開始する。」と伝えたいと思います。
そして、「(将来必ずやって来る)暴落を一緒に乗り越えましょう!」と。
最後に
今回紹介した記事は、とても参考になる素晴らしいものでした。
特に初心者の方はぜひ読んでみてください。
そして少額でもよいので資産運用を始めましょう。
そのために2024年からの新NISAは、素晴らしいきっかけになると思います。
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